【独自】北海道で指定避難所2カ所が土砂災害で機能せず 1カ所は倒壊 厚真町、防災計画見直しへ

土砂に埋もれた高齢者生活自立支援センター「ならやま」とみられる建物=14日午後、北海道厚真町の富里地区(松本健吾撮影)

 最大震度7を観測した北海道の地震で36人が死亡した厚真(あつま)町で、町が住民の避難先として定めた指定避難所8カ所のうち2カ所が土砂崩れで倒壊するなどし、避難所として機能しなかったことが14日、分かった。けが人はいなかったが、指定避難所は町がつくる地域防災計画に基づいて定められたもので、町は今後、計画の抜本的な見直しを行う方針を決めた。
 土砂崩れで倒壊したのは、同町北部の富里地区にある高齢者生活自立支援センター「ならやま」。夜間は無人で、土砂崩れによる倒壊に巻き込まれた人はいなかった。倒壊は、地震後に撮影した航空写真などで判明した。
 同施設は、町の北部に位置する富里(犠牲者4人)、高丘(同2人)の2地区の住民の指定避難所とされていた。町によると、平成12年、高齢者のリハビリ支援などを目的に開所。鉄骨平屋建ての構造で、地域防災計画では想定収容人数は60人としていた。
 さらに、直線距離で東に約3キロ離れた同施設に一番近い幌内(ほろない)地区の公民館「幌内マナビィハウス」(想定収容人数50人)も、倒壊は免れたものの、一帯で地震による土砂崩れが多発。物資などを運び込むことができず、避難所として機能しなかった。
 町によると、両施設の周辺地区の住民は、ヘリなどで救助され、町中心部などにある別の避難所に避難したという。
 町は、指定避難所計8カ所のうち富里と幌内の2カ所を除く6カ所と、南部の鹿沼地区にある公民館「鹿沼マナビィハウス」を加えた計7カ所を避難所として使用。14日現在、計913人が避難している。
 指定避難所は、地震や洪水などの災害で避難した住民を危険性がなくなるまで滞在させるための施設として、市町村長が指定するもので、市町村が作成する地域防災計画に基づいて定められている。今回の地震で、避難所が土砂に巻き込まれて倒壊したことで、町は今後、地域防災計画の抜本的な見直しを迫られる。
 宮坂尚市朗(しょういちろう)町長は産経新聞の取材に対し「指定避難所は、さまざまな災害に際し、住民が命を守るための生命線になる。そこが被災したことは想定外だった」と説明。地域防災計画の見直しが必要になるとの認識を示し、「新たな避難所の場所についても地域住民と話し合いながら考えていきたい」と話した。

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