都知事選「羽田新ルート」への対応は? 小池氏は「継続」、蓮舫氏は「廃止」、石丸氏は「代替ルートの検討」…主要4候補にアンケート
2020年3月、羽田空港の発着枠を増やすために運用が始まった新ルート。年間の約4割を占める南風時に、新宿区、渋谷区、品川区などの東京都心や川崎市臨海部などの上空を、旅客機が低空飛行するようになったが、激しい騒音や落下物の懸念がルート下の住民を苦しめている(前後編の前編)。
品川区で昨年行ったアンケート調査でも、約45%の住民が、騒音や落下物への不安など「暮らしに何らかの影響がある」と回答した。
2014年に、観光立国をかかげた故・安倍晋三元首相が導入を決定。住民らの反対もあったが、小池百合子都知事が「(国際競争力の向上や東京五輪・パラリンピックのため)機能強化は極めて重要」とこれを後押しした経緯がある。
今回、都民の重要な関心事のひとつである「羽田新ルート」を今後どうしていきたいと考えているか、東京都知事選に出馬している主要候補4人に見解を聞いた。
■蓮舫氏は「廃止」、石丸氏は「代替ルートの検討」を求める
4候補者には下記の2問をアンケート形式で聞いた。
質問1:次期都知事選で知事に当選した場合、「新羽田ルート」を継続するか中止するか。
A、羽田新ルートは「継続」する(ルートの固定化回避などの見直しもこちらに含む)。
B、羽田新ルートは「廃止」する。
質問2:上記回答の理由および、その他意見(自由回答)。
■小池百合子候補
質問1:A(継続)
質問2:国際情勢が刻一刻と変化する中、大きな課題である我が国の国際競争力を向上させていく上で、羽田空港の機能強化は極めて重要と考えます。羽田空港の機能強化に関する決定については、国が自らの判断、責任で実施するとしておりますが、東京都としては、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供や騒音・安全対策の着実な実施を国に求めつつ、羽田空港の機能強化に積極的に取り組むことが重要と考えます。
■蓮舫候補
質問1:B(廃止)
質問2:国際化の進展とともに、国際線の増便は進むと考えられます。しかし、一番大切なのは、お住まいの皆さまの安全・安心です。いくらインバウンドや経済が大切と言っても、経済は、人があっての、都民があってのものです。住民の皆さまの騒音や落下物への心配の声を真摯に受け止めます。そのため、政府に対して早期の新飛行ルートの見直しを求めていきたい。
■田母神俊雄候補
質問1:A(継続)
質問2:事実確認が十分できていない現状で、「廃止」をお約束するのは不誠実と考える。他方で、騒音被害であったり、落下物の心配を関係地域の皆さんが抱えてしまっている事には大変憂慮している。迷惑を押し付けられて、政治で決めたことというのでは、この先も政治不信が続くだろう。この選挙と新都知事をきっかけにして、都民の暮らしを守るために都政があるのだという事を常識にしたい。
■石丸伸二候補
質問1:A(継続)ただし見直し含み
質問2:「羽田新ルート」は騒音問題や安全性の懸念から、多くの都民に不安を与えています。横田空域の問題もあり、国の管轄事項ではありますが、都民の安全と生活環境の向上を最優先に考え、ルートの見直しを求めます。都知事として、国に対して騒音問題の改善と安全性の確保を強く要請し、代替ルートの検討を進めることで、安心して暮らせる東京を実現します。※7月4日(木)12時40分追記
どの候補者が当選しても、都民の声に真摯に耳を傾けてほしい。記事の後編ではルート下に住む住民たちの声を聞いた。
07/04 06:00
女性自身