YouTuber経営者らが賭博で書類送検…若者参入でブームも“裏ポーカー”に潜む罠

6月1日、警視庁は人気YouTubeチャンネル「令和の虎CHANNEL」に出演していた社長らを、賭博と賭博ほう助の疑いで、書類送検した。同チャンネルは登録者数約55万人を超える人気チャンネルで、起業希望者に経営者などの投資家が投資するかどうか判断する番組だ。

「書類送検された24歳~42歳の男女計16人が興じていたのは、ポーカー賭博。昨年6月から今年2月にかけて、60回ほど都内のマンションや会社事務所で開催されていました。100万円近く勝った者や、120万円以上負けた参加者も。

参加者の大半は容疑を認めていましたが、『友達同士なら大丈夫』と話す者もいたそうです。しかし、どんなに賭けた金額が少額でも賭博罪は成立し、罰せられます。ただ、警察側の人的リソースなどの問題で、少額の賭博についてはすべて取り締まることができない実態はありますが…」(捜査関係者)

じつはいま、20代を中心としてポーカーがブームの兆しを見せているという。東京都内のポーカー店関係者はこう話す。

「ここ一年で、都内でポーカーができるアミューズメントカジノや、ポーカールームの数が倍以上に増えています。プレーされるのは、テキサスホールデムというルールのゲームで、海外のカジノでは最もポピュラーなもののひとつです。

大学のサークルも各校にどんどん立ち上がっていて、性別問わず“Z世代”を中心にポーカーファンが増えている印象があります。女性プレイヤーのみの大会もあり、著名人がひっそりと参加していたという話もよく聞くようになりました。

若いプレイヤーが増えたきっかけは、登録者数が70万人を超えたYouTubeチャンネル『世界のヨコサワ』の影響が大きいんじゃないかと思います。チャンネルに登場する世界のヨコサワさんはプロポーカープレイヤーで、世界中のカジノや海外のトーナメント大会で優勝する様子を動画で配信し続けてきました。

海外のプロの世界では億単位の賞金が出る大会も少なくありません。毎年ラスベガスで開催されているWSOP(ワールドシリーズオブポーカー)の優勝賞金は、日本円で8億円以上。こうした側面も、若い人が夢中になる要因になっているのでしょう」

お金を賭けずに、純粋なトランプゲームとしてポーカーを楽しむ人が集うお店は、どういう場所なのか。

「お金を賭けないでプレーするお店は“アミューズ”と言われています。“アミューズ”のお店を出すには、ゲームセンターなどと同じく遊技場営業の許可を警察に申請する必要があります。

“アミューズ”のお店でのポーカーの遊び方は、ゲームセンターのメダルゲームと同じような形で楽しみます。数千円程度の参加費を支払い、チップを受け取ってプレーします。一人で来店して知らない人とプレーする人もいれば、グループでやってきて遊んでいる方もいますし、お店が主催するトーナメントに参加する人もいます。

日本最大のトーナメントであるJOPT(ジャパンオープンポーカーツアー)の予選にチャレンジする人も多いですね。年4回行われるこの大会で入賞すると、海外で開かれているポーカー大会の出場費や、スポンサーなどがつく契約選手となれます。

年間の賞金総額も1億円以上にもなることもあり、腕に覚えのあるプレイヤーは日々しのぎを削っています」(前出・ポーカー店関係者)

■後を絶たない“裏ポーカー”の摘発

一方で、“裏ポーカー”が横行している現状もある。5月末には都内の違法ポーカー店が2店舗同時に摘発されたケースもあった。

「店内で堂々と現金が賭けられている“裏ポーカー”店の摘発事例は後を絶ちません。“裏ポーカー”の店では、客は現金をチップに変え、店側が手数料を取る形になっています。一般人が経営しているケースもありますが、暴力団の資金源となっている場合がほとんどです」(警視庁関係者)

先月までに、山口県阿武町で給付金4630万円が誤って1人の男性に振り込まれ、返還を渋っていた男性が電子計算機使用詐欺容疑で逮捕される事件が起きた。逮捕された男性は当初、「海外のネットカジノで全額を使った」などと話したことで、オンラインカジノへの注目も集まった。

「オンラインカジノでは、バカラやブラックジャックのほかにポーカーなどがプレーできます。賭博が禁止されている日本からでも、海外のサーバーにアクセスし、銀行振り込みなどでカジノ側に入金してお金を賭けることができます。

もちろん、オンライン上であっても違法行為です。しかし、海外のサーバーを挟んでいることから、警察による摘発が難しく、実際に立件できたケースはさほど多くはありません」(社会部記者)

オンラインカジノについては、岸田文雄首相(64)が6月1日の衆院予算委員会で「違法なものであり、厳正な取り締まりを行う」と発言。今後、警察による取り締まりも強化されそうなものだがーー。

「しかし、ギャンブルが合法となっている海外の国にサーバーが置かれて運営されていると、現地の警察・司法当局と協力できる場合とできない場合があります。日本国内の法改正だけではどうしても限界があるので、摘発を増やすためには依然高いハードルがあるのです」(前出・社会部記者)

前出のポーカー店関係者も、こう続ける。

「実際、“お金を賭けたほうがプレーに熱が入る”と言う人は少なくありませんし、かつて検察の幹部が“賭け麻雀”に興じていて大問題になったことがありました。

親しい間柄でやっているから大丈夫という感覚でお金を賭けてしまうのかもしれませんが、公営ギャンブルを除いて、日本で賭博は違法です。賭博罪は、常習性が認められれば、懲役刑が課せられることもあります。罪の意識が薄い状態で、安易に手を出してしまってはいけません。

違法な“裏ポーカー”が増えれば、お金を賭けずに、法律を守ってプレーしているポーカーファンのイメージも悪くなりかねません。せっかく楽しいゲームなのに、悪い印象を世の中の人に持たれてしまうのは、とても悲しいです」

ポーカー愛好者が増える昨今、潜む“罠”には気をつけたい。

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