知床観光船「カズワン」沈没で再発防止策は49項目、事業許可更新や違反点数の制度を創設

 北海道・知床半島沖で2022年4月、観光船「KAZU I(カズワン)」(乗客乗員26人)が沈没した事故で、国土交通省は3日午前、再発防止策の実施状況などを確認し、専門家の助言を受ける「知床遊覧船事故対策フォローアップ委員会」の第2回会合を開いた。

沈没事故から約1か月後、作業台船につり上げられる観光船「KAZU I」(2022年5月、北海道斜里町沖で、読売チャーターヘリから)=佐々木紀明撮影

 国交省は事故を受け、22年12月に再発防止に向けた66項目の対策をまとめた。会合では、これまで35項目だった実施中・実施済みの対策について、▽事業許可更新制度の創設▽地域の関係者による協議会の設置▽違反点数制度の創設▽船長要件の創設――などが進捗し、49項目に増加したことが報告された。来年4月にはさらに増えて61項目となる見通し。

 会合の冒頭であいさつした斉藤国交相は、JR九州高速船の浸水隠しなどを念頭に、「旅客船では安全・安心を揺るがす事案がなお発生している」と語り、旅客輸送の安全確保に向けた取り組みをさらに進めるとした。

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