オリンピアンやパラリンピアンを先生に…特別免許状を活用、授業や部活で生きる大舞台の経験

 文部科学省は来年度から、五輪やパラリンピックへの出場経験がある選手の教員登用を支援する方針を固めた。従来の公立学校の教員数の枠を超えて採用できるよう財政措置する。世界の大舞台で活躍した経験や知識を、授業や部活動指導などに生かしてもらうことが目的だ。

文部科学省

 文科省はパリ五輪・パラリンピックを契機にアスリート教員の採用拡大を図る。具体的には、教職に関心のあるアスリートのリストを教育委員会に提供したり、採用前の研修パッケージをオンデマンド配信したりする。文科省は支援の対象とする五輪選手について、数十人程度を見込む。

 都道府県教委には、教員免許を持っていない社会人向けの「特別免許状」の活用を促す。多様な人材を教育現場に呼びこむため、1988年に制度化され、これまでに計2774件が授与されている。

 2012年のロンドン五輪でフェンシングの日本代表になった池端花奈恵さんが保健体育の高校教員として教壇に立つほか、国体出場経験のある元スポーツ選手や社会人スポーツチームのコーチらが各地で教えている。

 文科省は近く、全国の都道府県教委に通知を出し、アスリートの登用促進策を周知する。

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