減税 名古屋城 コモドドラゴン…“総理を狙う男”75歳 波瀾万丈の河村市政4期15年の歩みを振り返る
2日が名古屋市長としての最後の本会議。議場にも混乱はなく淡々と…。
しかし、波瀾万丈の河村市政4期15年。その歩みを振り返ります。
(河村市長)
「もう1回日本の皆さんにご奉公しようと。『総理を狙う男アゲイン』と」
1日、次の衆議院選挙への出馬を表明し、市長の職を辞すると明らかにした名古屋の河村たかし市長75歳。
キャッチフレーズは“総理を狙う男”。これまでたびたび、国政への“憧れ”を口にしてきました。
(河村市長 9月14日)
「総裁選に出られる人は幸せだがね」
“選挙モンスター” その一方で…
親しみやすさを売りに地元で絶大な人気を集め、選挙モンスターの異名を持つ市長。
衆院議員を5期務めたあと、2009年に名古屋市長選に立候補し初当選。
そんな市長の政策の一丁目一番地は「市民税減税」。そして、もう1つ…。
河村市長は、年収の引き下げと退職金の辞退で4億円を「市民に還元した」と胸を張ります。
一方で、道半ばの公約も。
かつての「村村コンビ」 溝うまらず
市長肝入りの名古屋城天守閣の木造復元事業。
2022年までに実現できなければ「関係者は全員切腹」とまで話していましたが、バリアフリー化の問題などを巡って計画はストップ、事業は暗礁に乗り上げています。
かつての盟友・愛知県の大村秀章知事とは、2011年の選挙で「中京都構想」を共同公約に掲げてダブル当選。
「村村コンビ」と呼ばれるほど大の“仲良し”でしたが、政策の違いから、ことあるごとに対立し、今では冷め切った仲に。
(大村知事)
「『市長やーめた』『衆院選出るんだわ』というのは、政治家として説明責任を果たしていない、無責任だと思う」
この発言を受けて、河村市長は。
(河村市長)
「そっちの方が無責任。減税の1円でもやったらどうだね」
結局、2人の溝がうまることはありませんでした。
“お騒がせ市長” 猛省
こちらは全国の人から批判が集まった一件。
3年前。オリンピック選手の「金メダル」を勢いあまってガブリ!
瞬く間に日本中の話題になり、約1万6000件の苦情や批判が名古屋市に寄せられ、ついに、議会でも…。
(名古屋市議)
「前代未聞の不祥事を引き起こした」
「約6000人の方が『辞職すべきだ』と言っている。まさにこれが直近の民意」
厳しい追及に四面楚歌の状態。そして‥
(河村市長)
「誠に申し訳なく心よりおわび申し上げる。すみません。猛省を続けながら自戒を続けながら、社会にいいことを行っていく」
「アイラブユー」通じた!?
言動がたびたび世間の注目を集めてきた名古屋の“お騒がせ”市長。
1日の電撃的な出馬表明に市民は‥。
(市民)
「ハチャメチャなところがある。(政治家を)勇退することを希望している」
「(市長を)最後までやり遂げてほしかった。特に名古屋城の問題など、河村市長が始めた問題がまだ解決していない」
その一方で…。
(市民)
「長年やってきて経験を積んでいると思うので、全国的に活躍してもらえたら」
「コモドドラゴン。面白いと思う。人目を引いて全国から人を呼ぶということで」
公約にも掲げていた「生きる恐竜」=コモドドラゴンの誘致に成功。
10年越しのラブコールが叶い、ついにことしの夏、東山動植物園でご対面…!
週末は多くの人がコモドドラゴン見たさに詰めかけています。
次の名古屋市長になるのは?
“空席”となる市長の席。次のトップはいったい誰になるのか。
河村市長の出馬会見で、隣に座った前副市長の広沢一郎氏(60)がその席を狙う1人です。
(前副市長 広沢一郎氏)
「河村市政の継承。市民税減税、市長報酬800万円は継承したい。副市長の時代に手がけていて道半ばのものを着手したい」
去年6月、立候補を正式表明し、次なる市長選に備えていた参議院議員の大塚耕平氏(64)は。
(参議院議員 大塚耕平氏)
「相手がどなたかということではなくて、「守る・伸ばす・創る」という、名古屋市政をこれから発展させるための切り口でしっかり訴えて、有権者の皆さんに聞いて頂いて真面目な市政を目指したい」
このほか、名古屋市長選には政治団体代表の西田礼孝氏(27)が立候補を表明しています。
注目の「愛知1区」どう戦う?
この急転直下の出来事に、がぜん注目度が上がってきた、河村市長が出馬する愛知1区。
前回選ばれた自民党の熊田裕通氏は。
(自民 熊田裕通氏)
「国の根幹の経済力 防衛力を高めることができるのも、自民党だと思っている。私は河村さんとその違いを比較してもらえる戦いにしたいと思っています」
そして、同じ愛知1区の立候補予定者はー。
(立憲 吉田統彦氏)
「多くの方が政治に立候補するのは良いこと。今までやってきたことは決して誤っていないと信じているので、地道な活動の延長線上で選挙戦しっかり戦って、小選挙区での議席を得らるように努力したい」
(維新 山本耕一氏)
「(河村市長が)『出る』と聞いた瞬間、『僕は12日間 朝から晩まで全部自転車で活動しよう』と思った。河村市長に負けないくらい愛知1区の市民に対する思いがあるので、そのために仕事するには勝つしかないので全力でいくだけ」
風雲急を告げる事態。河村市政の終焉です。
名古屋市民のくらしは、この先どうなっていくのでしょうか?
10/02 20:15
CBCテレビ