リニア工事は前進ムード? JR東海社長が静岡県新知事と面会 社長の「真摯に取り組んでまいりたい」に新知事「私も推進」
時速500キロで、東京~名古屋間を最速40分で結ぶリニア中央新幹線。
JR東海は当初「2027年」としていた開業目標を断念し、「2034年以降」にずれ込む見通しを示しています。
その大きな要因は、約6年半にわたって未着工が続く静岡工区。
大井川の水問題などに懸念を示していた川勝平太前知事の反対を受けていたからです…しかし!
川勝前知事の突然の辞職で、5月に「リニア推進派」の鈴木康友新知事が誕生。
(静岡県 鈴木康友知事)
「県とJR東海、国、大井川流域の市町の連携のもとに、一つ一つの課題をクリアにしていくことが大事。まずそうした体制づくり、そのために各自治体とコミュニケーションをとっていく」
そして、リニア工事をめぐっての状況が、6月4日、5日で大きく変わってきました。
静岡県の新知事「東海道新幹線と二重で、防災上も強固なものに」
(国土交通省 斉藤鉄夫大臣)
「鈴木知事、ご無沙汰しております」
4日、鈴木知事は就任の挨拶で国土交通省を訪れ、斉藤鉄夫大臣と面会。
(静岡県 鈴木康友知事)
「整備されると、東海道新幹線と二重になり、非常に防災上も強固なものになる。新たな高速鉄道として、非常に大きな効果がある。その必要性についてはしっかり理解している」
(国土交通省 斉藤鉄夫大臣)
「国土交通省としても大井川の水資源、南アルプスの環境保全は大変重要な問題」
川勝前知事は国に対しても強硬な姿勢を貫いていたため、川勝県政時代は斉藤大臣との面会はなく、静岡県知事と斉藤大臣のひざを突き合わせての意見交換は4日が初めてでした。
一方、4日に岐阜県庁を訪れた「もう一人のキーマン」の姿も…
JR東海社長 岐阜県知事へ「情報の共有において、至らない点があった」
(JR東海 丹羽俊介社長)
「岐阜県に対して報告が大変遅くなってしまった。情報の共有において、至らない点があったと考えている」
岐阜県の古田肇知事と面会し、リニア工事が抱えるもう1つの大きな課題、瑞浪市大湫町の井戸やため池など、あわせて14か所の水位が低下していることについて報告の遅れを謝罪しました。
不安がぬぐいさらない瑞浪市民は…
(瑞浪市民)
「工事はたしかに大事だが、私たちには恩恵がない。生きていくための水やでさ」
「開発が進むとマイナスの面が出てくるんだなと。とても残念」
さらに、リニアの新駅の工事が進む中津川市では…
(坂本まちづくり協議会 市岡勉顧問)
「(静岡県は)自分の主張の強い知事から、リニアに対して幅の広い考えができる知事に変わったので、その点は良い方向になったのではないか。早く仕上げてもらいたい、早く完成してもらいたい」
JR東海の丹羽社長は5日、鈴木知事と面会するため静岡県庁を訪れました。
(JR東海 丹羽俊介社長)
「(リニア)中央新幹線に関して、私ども、静岡県をはじめとする関係の方々と双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯に取り組んでまいりたいと思っている」
(静岡県 鈴木康友知事)
「私も推進する必要があると思う」
7日に開催予定のリニア沿線10の都府県知事らが出席する期成同盟会の総会を前に、顔合わせを済ませる狙いが強いとみられますが、「リニア推進派」の鈴木知事とどのような意見交換が行われるのか注目です。
6年半もの未着工が続く静岡工区をはじめ、今後も水に関する問題の解決をはかることは必須となりますが、鈴木知事の就任でリニア工事は、あらためて前進ムードが出てきました。
06/05 17:08
CBCテレビ