4月24日から開始「熱中症”特別”警戒アラート」って何? “これまでに例のない広範囲で危険な暑さ”が予想されれば発表

2024年も、暑さに警戒する季節がやってきました。

環境省と気象庁は、これまで熱中症による健康被害が多く発生するような気象条件の場合に「熱中症警戒アラート」を発表してきましたが、それより一段高い「熱中症”特別”警戒アラート」の運用を、4月24日からスタートしました。

この情報は「暑さ指数」をもとに発表されます。環境省によると、この暑さ指数は、人体と外気との熱のやり取りにに着目して、気温、湿度、日射・輻射(照り返しの熱)、風の要素をもとに算出されます。

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この数値は気温ではありません。あくまで「暑さの指数」で環境省の指針によると、28以上の「厳重警戒」でも激しい運動は原則中止。31以上の「危険」になると、特に高齢者などは安静状態でも熱中症になる恐れがあるとして、警戒を呼びかけます。

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その中でも暑さ指数「33」という、熱中症に対して極めて危険な状況が、府県予報区(おおむね県単位ですが、北海道、沖縄、鹿児島では細かいエリア)で1地点でも予想されれば「熱中症警戒アラート」が発表され、今後もこの運用は続きます。

発表時には市区町村も対応 “避難できる涼しい場所を”

「熱中症特別警戒アラート」は、「熱中症警戒アラート」よりも高い、暑さ指数「35以上」が、都道府県の全ての地点で予想された場合に発表されます。

熱中症警戒アラートは、2023年には全国で1232回も発表。2021年は613回だったので、約2倍になりました。

環境省によると、2012年~2021年のデータでは、熱中症特別警戒アラートの基準である、都道府県内の全ての地点で暑さ指数が「35以上」になった例はありません。つまり、「これまでに例のない、広範囲で危険な暑さ」が予想された場合に、発表されることになります。

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そのため、屋外のスポーツイベントや体育授業の自粛したりするだけでなく、外出を控えたりすることも必要になります。

また、発表時には市区町村も対応をとることになっています。例えば役所や図書館などで、十分な広さや冷房設備などの条件を満たした「クーリングシェルター」などに暑さからの避難をすることも重要です。

ただ、この「熱中症”特別”警戒アラート」が出ていなければ、安全というわけではもちろんありません。上記の注意レベルの「25未満」でも激しい運動や重労働時には熱中症のリスクがあるほか、「28未満」でも定期的な休息が必要なレベルで、これからは暑さに対しては十分な注意をする時期になります。

2022年6月 名古屋市内

また、この時期は「暑熱順化」という暑さ慣れができていない時期で、真夏ほど暑くなくても、熱中症のリスクが高くなる時期です。意識的に時間を決めて水分補給したり、日差しを避けたりして、この時期から熱中症に対する注意をしてください。

(気象予報士 桜沢信司)

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