名張毒ぶどう酒事件に関する文書 国が開示しないのは違法と弁護士が訴えた裁判 原告の請求を認めない判決

63年前に起きた「名張毒ぶどう酒事件」。

病死した元死刑囚に関する文書を国が開示しないのは違法だと、再審請求を行う弁護士が訴えた裁判で、名古屋地方裁判所は原告の請求を認めない判決を言い渡しました。

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1961年に、三重県名張市で、ぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」。

検察が法務大臣に提出したとされる奥西勝(おくにし まさる)元死刑囚の「死刑執行上申書」を、2021年5月に再審請求弁護団の弁護士が開示請求したところ、法務省は翌6月に文書の存在を明かさず開示しない決定をしました。

弁護団の会見:2023年4月

この決定に対して、請求を行った弁護士は、奥西元死刑囚はすでに死亡していて逃亡や自殺の恐れはない上、国民の知る権利を侵害していると主張して、不開示決定の取り消しを求めて裁判を起こしていました。

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18日、名古屋地裁の剱持亮(けんもち りょう)裁判長は、「文書が確実に存在しているとは認めるに足りないうえ、文書の情報はプライバシーに関する情報そのものであり、再審請求をしてきた者であるとしても、そのことをもって判断が左右されるものとはいえない」などと判断し、原告の請求を棄却する判決を言い渡しました。

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判決後、弁護団は会見を開き、「到底承服できない内容」などと話しました。

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