“世界に一つだけ”の卒業証書 地元伝統の「山中和紙」で小学6年生が手作り 「大切にしたい」笑顔で巣立ち

岐阜県飛騨市にある小さな小学校で、3月22日に行われた卒業式で、「世界で一つだけ」の卒業証書が手渡されました。

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世界で一つだけの卒業証書を作っているのは、全校児童28人の「河合小学校」です。

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この春、学び舎を巣立つ6年生5人に手渡された卒業証書をよく見ると、縁が揃っていません…実は、これが世界で一つの秘密です。

飛騨市河合町は約800年の歴史をもつ「山中和紙(さんちゅうわし)」の産地。

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白さを増すために、雪の上にコウゾを広げ雪ざらしをすることで知られます。

2月1日、6年生の姿は地元の和紙工房に。

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河合小学校では卒業証書に使う和紙を卒業生が自ら作っているんです。

和紙職人の指導を受け、「紙すき」をしていきます。

卒業証書用ということで少し厚めに作っていますが、神経を使う作業の連続。

脱水した後は、乾燥のために金属の板に貼り椿の葉でこすってしわをのばしていきます…しかし。

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(6年生)
「待って、やばい、やらかした。破れた」
「なんでこんなに柔らかいの?」

悪戦苦闘しながら、作った和紙が自分の卒業証書になるんです。

(6年生)
Q世界に1つだけの卒業証書、楽しみですか?
「楽しみです」
「めちゃくちゃうれしいです」

乾燥が終わった和紙には地元の書道教室の先生が文字を書き、最後に教頭先生が判を押していきます。

ひとつひとつ、厚みも形も違う、世界で1つの卒業証書は最後まで手作りです。

そして手作りの卒業証書が手渡されました。

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(河合小学校 中島直子校長)
「いま5人が手にした、世界で1つしかない思いのこもった卒業証書は、最後まで地道にやり切った証です」

人口約800人の河合町に中学校はなく、卒業生は町の外の中学校に進学します。

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(6年生)
「世界に1つしかないものだから大切にしたい」
「やっぱりうれしい」

和紙ならではの温かさをもつ卒業証書には、いつまでも地元を大切に思って欲しいという気持ちも込められています。

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