「医療の2024年問題」病院勤務医師の時間外・休日労働時間は“年間960時間まで”でどうする? 

4月から、病院に勤務する医師たちの働き方が見直されます…それは「医療の2024年問題」。

2024年4月までに、医師や看護師など医療現場の労働環境や働き方を見直す改革を実施しなければなりません。

病院に勤務する医師の時間外・休日労働時間は、年960時間までとするよう上限が設けられます。

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約130人の勤務医が働いている、三重県の桑名市総合医療センター、救急病棟で聞きました。

(脳神経外科 黒木香行医師)
「(患者が)時間外に入院する病棟なので、時間外の労働が非常に多い部署」
Q例えば緊急手術が朝方までかかった場合、翌日予定があれば、その予定もこなしていく?
「そういうことです」
Q働き方改革が難しい場所なのでは?
「手術をした人も責任があるので、こういったこと(働き方改革)があったからといって、人に任せられないというところもあると、どうしても難しい」

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患者の状況に大きく影響を受ける医師の働き方…うまくいくのか、不安の声が聞こえてきます。

おととし7月、厚生労働省が全国の常勤勤務医1万1000人あまりの労働時間を調査。

その結果、「週40時間から50時間労働」が一番多く、32.7パーセントだったといいます。

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今回の働き方改革で上限となる「時間外と休日労働時間」は年間960時間ですが、それを超えたと見られる「週60時間以上」働いた医師は21.2パーセントでした。

医師はかなり「書き物」が多い

では、桑名市総合医療センターの改革の一つをうかがうと…

(桑名市総合医療センター 山田典一病院長)
「医師はかなり書き物が多い。下手すると3割~4割ぐらいが書類書きやデータベースに入力する仕事に時間を取られる。医師ではなくてもわかるような情報を医療事務が診断書に書いてくれるだけでも随分と助かるので、それを進めていこうと考えている」

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また、病院職員の子ども52人を預かる院内保育園の取り組みも。

保育時間は午前7時半ごろから午後6時まで。

親の勤務状況によっては午後7時半ごろまで延長可能です。

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病院の理事長で、三重県病院協会の理事長もつとめる竹田寛さんにうかがいました。

(桑名市総合医療センター兼三重県病院協会 竹田寛理事長)
Qなぜ働きやすい環境が「働き方改革」に結びつく?
「やはり職員がたくさん集まる。例えば医師の業務を手伝ってもらえる。それが少なかったら医師が全部やらなければならない。こういうところもきちんとやらないと本当の働き方改革はできない」

病院の働き方改革を推し進めるには、潤沢な病院スタッフの数が必要。

賃上げも含め、労働環境を整えることは患者の命を守ることにもつながっています。

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