「動物虐待にあたる」との批判に対応 “上げ馬神事”の神事全般の責任を明確化 坂を緩やかにする改善策も

「動物虐待にあたる」との批判の声が上がっていた、三重県桑名市の多度大社の「上げ馬神事」。

これまで曖昧だった「馬の管理」などを含む。責任の所在が定まりました。

CBC

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毎年5月に、三重県桑名市の多度大社で行われる「上げ馬神事」は、斜面を駆け上がった馬が高さ約2.5メートルの土壁を乗り越えた回数で農作物の出来などを占うもので、三重県の無形民俗文化財に指定されています。

しかし、2023年は、土壁を上る際に脚を骨折した馬1頭が殺処分されていて、馬を興奮させるためにムチで叩く行為をはじめ神事自体が「動物虐待にあたる」との批判の声が上がっていました。

三重県教育委員会は2023年8月、文化財保護条例に基づき馬の扱い方を改善することに加え、これまで曖昧だった馬の管理などを含む「神事全体の責任」について所在を明確にするよう求める勧告を多度大社に出しました。

そして、それに対する回答が、神社と住民組織の連名で3月25日に提出されました。

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回答文書には、2024年5月の神事から、馬が駆け上がる坂を緩やかにし、土壁をなくすなどの改善策をとることや、馬の管理などの責任は多度大社と神事を奉納する住民組織で負うことなどが明記されているということです。

三重県教育委員会は、神事を安全に実施するため、引き続き神社と住民組織との協議を進め、神事当日も現地を視察し、改善状況を確認することにしています。

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