小林製薬「紅麹」問題　山本漢方製薬も一部商品を自主回収　「“大麦若葉”は全く関係のない商品」と対応

小林製薬の「紅麹」成分が入ったサプリメントを摂取した人に健康被害が広がっている問題で、愛知県小牧市の製薬会社も対応に追われています。

小林製薬は3月28日、「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた人が亡くなったという連絡が新たに2件あったことを明らかにしました。

これで死亡した人は4人、入院した人が106人、寄せられた健康被害の相談は約3000件に拡大しています。

影響を受けているのは、愛知県小牧市の製薬会社「山本漢方製薬」も。

原料の一部に「紅麹」が含まれている商品があり、3月25日から自主回収にあたっています。

（山元漢方製薬 吉田正敏顧問）
Q皆さん、たくさん電話されていますが？
「消費者の方からの連絡」

山本漢方製薬が回収することになったのは、ダイエットサプリ「内脂ブロッカー」です。

28日まで消費者からの問い合わせは1日100件以上にのぼり、会社の5台の電話は常に鳴りっぱなしの状態です。

普段、発注業務などを行う従業員も、電話の対応に追われていました。

問い合わせの内容は、回収対象の「内脂ブロッカー」のことだけでなく…

（吉田顧問）
「きのう（27日）の朝から『ほかの商材は大丈夫なの？』とか、『このお茶を飲んでいるけど紅麹入っていませんよね？』という問い合わせが増えている」

（電話対応するスタッフ）
「『大麦若葉』は全く関係のない商品になります。安心して飲んでいただいて大丈夫ですので…」

看板商品「大麦若葉」など、「紅麹」が含まれていない商品についての問い合わせも相次いでいるといいます。

（吉田顧問）
「『ほかの商品には問題ございませんので、安心して飲んでください』とは付け加えて話をしています」

「内脂ブロッカー」は2023年2月から製造・販売を始めたもので、これまでに5万個ほど流通しているといいます。

（吉田顧問）
「こちらが一般の消費者の方から戻った内脂ブロッカーになります、2日分。まだ卸業者とドラッグストアから戻ってきてないので、それがまとめて入ってくる」

経済的なダメージは非常に大きいといいます。

（吉田顧問）
「だいたい150万円ほどの資材の在庫がありまして、そこからの現品になりますので、本当に倍以上、500万円近くはかかるとみています」

消費者が返品する際の送料などは「山本漢方製薬」が一時負担。

小林製薬から送られてきた補償内容が書かれたメールの文面には、「商品の代金や、送料などを負担する」と記されていましたが、小林製薬がいつ返金に応じてくれるのか、その時期などはまだ伝えられていません。

「山本漢方製薬」の吉田顧問は、「通常業務がまったく手につかない状況に陥り、とても困った。この先の不安も強く感じている」と話しています。