昭和の名車“ケンメリ”とともに50年…亡くなったおじいさん 娘は「これがあることでまだ父を感じる」

2022年、「チャント!」でご紹介した、昭和のスポーツカーを半世紀乗り続ける当時88歳のおじいさん。

最近になって、ご家族からあるコメントが寄せられました…家族の思いとは。

CBC

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(エンジン音と排気音)

2022年放送した、「昭和の車とおじいさん」。

50年間この車一筋、昭和の名車「日産スカイライン」。

(熊澤康治さん 当時88歳)
「非常にエンジンの音がいいのよ。それが気に入った」

当時コマーシャルに登場したカップル、「ケンとメリー」にちなんで「ケンメリ」と呼ばれているこの車。

おじいさんとケンメリの姿は、YouTubeでも反響を呼びました。

ある日、その動画にこんなコメントが。

(コメント)
「小さい頃、ケンメリで色んなところへ連れてってくれたじぃじ。
 昨年亡くなりましたが、こうやってYouTubeでいつでもじぃじとケンメリに会えます」

(孫の熊澤圭太朗さん)
「体調がおかしいなということで、近くの駐車場に車を止めて、体が動かなくなって、(去年)12月に亡くなってしまいました」

おじいさんは運転中に体調不良を感じ、ケンメリを路肩に停車させましたが、そのまま入院…最後までケンメリと一緒でした。

(孫の熊澤圭太朗さん)
「ブーンと、ケンメリのエンジンの音が聞こえてきて『あっ、じいじが来た、じぃじが来た』と。少し周りよりも古い車で、かっこいい車だなと思いながら乗っていて」

(次女の熊澤智子さん)
「冬はスキー場へ行きました。あの車で。スキー積んで。車のエンジン音や振動が体に染みついている」

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家族みんなが乗った、おじいさんのケンメリ。

でも、心配なことも。

(次女の熊澤智子さん)
「田舎で生活をするとどうしても車が必須になってしまうので『いつまで乗る』か、『いつまで乗らせる』なのか、そのあたりもしっかり決めきれなかった。とにかく人様を巻き込んでしまうような事故を起こされたらどうしようと。50年一緒に乗ってきているので、一緒に生きている車なので、それに乗るなとは言えない」

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(熊澤康治さん 当時88歳)
「自分は高齢だから、安全運転。子どもの飛び出しなんかあれへんかなということを、それを一番気をつけてる」

(孫の熊澤圭太朗さん)
「ケンメリを大切に50年も乗り続けた祖父のすごさを知れたので、その車に自身の子どもも乗せることが出来たら、すごくよかったのかなと」

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(次女の熊澤智子さん)
「大切にしてくれる人、好きだと思ってくれる人に渡せたらな。父なので、父のイメージなので。これがあることでなんかまだ父を感じる。車がなくなったらきっと、思っている以上に寂しくなるかな」

おじいさんとともに生きたケンメリとの別れ…新たな出発の時を静かに待っています。

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