思い出のランドセルを「財布」や「キーホルダー」にリメイク 新たなアイテムに生まれ変わらせる工房が人気

小学校を卒業すると使われなくなる「ランドセル」。

そのランドセルを、この先もずっと使えるようにと、新たなアイテムに生まれ変わらせる匠の技を取材しました。

CBC

愛知県一宮市にある「Askal(あすかる)カバン工房」に持ち込まれていたのは、大量のランドセル、どれも子供たちの卒業で役目を終えたものばかりです。

(Askalカバン工房・大橋泰助社長)
「ここは、6年間使い終わったランドセルをリメイクしている会社なんです」

小学校の思い出が一杯詰まっているため、捨ててしまうのはもったいないという思いに応えるため、ここで約30種類のアイテムに生まれ変わるのです。

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Askalカバン工房では2017年から、このリメイク事業を専門に行っていて、これまでに約7万個のランドセルがリメイクされてきました。

3月上旬には、一日に約300件の注文が入ったことも。

1つのランドセルから作り出せるものには限りがありますが、財布と小物入れとキーホルダーなどをセットにしたリメイク品が人気だということです。

(Askalカバン工房・大橋泰助社長)
「ランドセルによって素材がいっぱいある。それに合わせて硬かったり柔らかかったりするので。傷み具合も違うので、それに合わせて作るのが難しい」

全てが手作業で、元のランドセルの特徴を、できるだけ生かすことを心がけているといいますが…

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(Askalカバン工房・大橋泰助社長)
「失敗が許されないので緊張しますよね。新品の生地なら、失敗したら新しい生地から作ることができるんですけど、それができないので」

やり直しがきかない神経を使う作業には、熟練の技が必要です。

(Askalカバン工房・大橋泰助社長)
「家族みんなで思い出をシェアしていただいて、末永く使っていただければと思います」

「良い物を長く使う大事さを感じてもらえたら」

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今回、リメイクを依頼していた一宮市内に住む森田さんの自宅に完成品が届きました。

(森田珀哉くん)
「ランドセル、もう使わないと思ってたんで。こんな形で財布とか、また使えるようになって嬉しい」

ランドセルのリメイクを依頼した理由を伺うと…

(母・森田女枝さん)
「お兄ちゃんのランドセルも1回リメイクをお願いしていて。ずっと使っていて、丈夫なんですよ。かっこよく作ってもらっていて。すごくお気に入りで」

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現在、中学3年のお兄ちゃんが、かつてリメイクしてもらった小物も家族でシェアされていることがわかりました。

(Askalカバン工房・大橋泰助社長)
「ちょっと、びっくりです。作った物を何年か後に見るのは初めてだったんで。本当に使われてるんだなと思って、すごく嬉しかったです」

お母さんはリメイクの良さを、こう話します。

(母・森田女枝さん)
「ランドセルを買った時も、良い物を長く使う大事さを感じてもらえたらと思って。お兄ちゃんの時も、この子の時も、また長く使えるのは良いなと思う」

リメイクのアイテムには写真立てやパスケースなども、今後も身近なところで共に。

注文は全国から舞い込んでいるということで、現在は納品まで4か月から半年待ちになっているということです。

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