男女間の賃金格差が去年ワーストだった三重県 ことしの順位に変化は? 働く女性の声を聞いてみた

日本の男女の賃金格差に関するデータによりますと去年、三重県は賃金格差の大きい県として全国ワーストでした。

先日、ことしの格差データが発表されましたが、その結果はどうだったのでしょうか。

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3月8日は「国際女性デー」、これは国連が女性の地位向上や女性差別の払拭を世界規模で行うことを目指し制定したものです。

それにあわせ、おととしから上智大学の三浦まり教授ら女性の就労について研究している専門家たちが、政治・行政・教育・経済の4分野で「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」を算出しています。

この男女格差のランキングで「フルタイムの仕事の男女間の賃金格差」を見ると、去年は三重県が47都道府県中、全国ワーストの47位に。

そして、今年はどうだったのかというと…

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1か月の賃金は男性が約32万4千円だったのに対して、女性は約23万9千円。女性が8万5千円ほど少ないことがわかりました。

順位は全国46位で、去年からワンランク改善し、愛知と岐阜は全国42位でした。

この男女間の格差が大きいという結果に、三重県で街の声を聞くと。

(20代女性)
「あまりわかってなかった」

(50代女性)
「働くところが少ないとか、女性が」

(30代女性)
「男性の方が(役職が)上がるのが早かったり、賃金が上がるのが早かったりとかするので。そういうところは少し感じた」

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では、この問題を担当する三重県の人口減少対策課は。

(三重県 人口減少対策課 大矢悟史 課長代理)
「三重県では製造業が盛んで、男性が従事している割合が最も高い業種。製造業は比較的賃金が高いため、他の業種に従事する割合が高い女性との賃金格差となって現れているのではないか」

全国ワーストは免れたものの、これという特効薬はなさそうです。

「男性よりも多くもらう月もある」 “三重交通”は職員の2割が女性

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こうした中、三重県津市に本社を置く「三重交通」は職員の2割が女性です。

(運行管理士 田中理依さん)
「運転手の一日を机の上で説明して、一日の行程を把握してもらって送り出す」

約25年、社員として働いている田中さんは、これまでガイドや運転手を経て運行管理士に。

男女の賃金格差について伺うと…

(運行管理士 田中理依さん)
「男性でも女性でも、働いたら働いた分、賃金をもらえる。男性よりも多くもらう月もある」

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一方、現在運転手として働く玉井亜矢さんは

(バス運転手 玉井亜矢さん)
「結婚を機に、いったん辞めて。また30歳くらいの時から今まで働いている」

結婚のタイミングで一度退職、その後に出産。

会社から離れた理由は…

(バス運転手 玉井亜矢さん)
「育休といっても何年も取れないので。それも考えたが、赤ちゃんを保育園に預けるとなると。朝4時半、5時という出勤ができないので時間的に無理だった」

玉井さんは2人の子どもを出産し、2人目が幼稚園に入園したタイミングで復職して、その2人のお子さんも今は中学生。

現在も時短勤務の制度を利用して、基本的に午前9時から午後3時まで運転業務にあたっています。

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(三重交通 人事部 染井喜久 部長)
「基本的には(男女)同一労働・同一賃金。運転手だけに関わらず、人材不足という風に言われている。特に女性は積極的に採用していきたい」

今回の「ジェンダー・キャップ指数」の調査では「フルタイムの仕事に従事する割合」では、三重と愛知は男性が8割以上なのに対して女性が5割ほどで、いずれも全国40位、岐阜が39位という結果に。

格差が大きいことが示されました。

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