増える災害関連死 熊本地震では「直接死」の4倍以上の223人 持病のある人が慣れない避難所生活で体調悪化 能登半島地震

(夏目みな美キャスター)
能登半島地震の発生から2週間が経過しています。被災地を取材したCBCテレビ報道部・大野和之記者に話を聞きます。大野さんは能登半島のどの辺りを取材したんでしょうか。

(大野和之記者)
私は1月10日からの4日間、穴水、能登、珠洲、輪島、七尾市を取材してきました。

CBC

CBC

(夏目キャスター)
地震発生10日目からの4日間ということですが、被災地はどのような状況でしたか。

(大野記者)
被災地は非常に気温が低い状態が続き、雨や雪が降り続いていました。飲料水や食料などは届きつつありましたが、電気はまだ一部しか復旧していませんでした。また、生活用水が特に不足している状態が続いていますが、復旧のめどはまだたっていない状況です。

CBC

(夏目キャスター)
特に孤立集落などで避難生活を維持することの難しさが、浮き彫りになってますね。

(大野記者)
現在も石川県内では、8地区で143人の孤立集落があります。孤立集落で避難生活を続けるのは難しく、道路などが寸断されているので、また地震などが起きた際に助からないのではないかという不安が広がっています。

CBC

CBC

(夏目キャスター)
そうしたこともあって、2次避難というのが進められていますね。

(大野記者)
現在、ヘリコプターによる移送などは順次始まっている状態です。ただ、住民は集落に残りたいという思いも強く「家族が生き埋めになったままの状態では離れられない」など地域がバラバラになってしまうという強い懸念なども残っています。

CBC

熊本地震は「災害関連死」が「直接死」の4倍 

(夏目キャスター)
行政は地元住民の皆さんをどのように説得してるのでしょうか。

(大野記者)
現地で石川県議員の吉田修議員に話を聞きました。吉田議員の妻も輪島市南志見地区出身ということで、吉田議員が地道に住民の方を説得して、ほぼ全員が避難しました。

(夏目キャスター)
行政としては「また大きな揺れが来たら危険だ」とか「支援が難しい」ということも2次避難を促したい理由だと思いますが、災害関連死の面でもやはり2次避難の方が安全というところですよね。

CBC

(大石邦彦アンカーマン)
災害関連死にどんな怖さがあるのでしょうか。2016年の熊本地震の死者は273人です。その内訳を見てみると、揺れによって建物の下敷きになるなどして亡くなった方が50人。避難所に行ってから亡くなった、いわゆる災害関連死の方が223人で4倍以上なんです。

CBC

では、なぜ亡くなったのか。これは持病のある人などが、慣れない避難所生活やストレスで体調を悪化させた可能性があります。

慣れない避難所生活でも、やはりコミュニティを維持することが大事ですが、今の避難所はどんな状況でしょうか。

CBC

(大野記者)
私が訪問した避難所でもコロナなどが発生していて、非常に衛生環境が心配される状態でした。薬や毛布、消毒液なども不足し災害関連死に繋がりかねない状況です。

また、集落ごとの結びつきが非常に強く、コミュニティの維持というのが非常に大切だと感じました。私達も震災発生時の避難だけではなく、2次避難でどう対応するか。集団ごとに避難できるかを考える必要があると思いました。

CBC

(大石アンカーマン)
実際に東日本大震災の避難所では顔の見える関係が維持されていたので、避難所でも仮設住宅でも災害関連死を防ぐことができたという自治体が多かったんです。ただその後、マンションのようなところに1人で引っ越してから亡くなった方も多かったということなので、そういう意味でも、皆さんのコミュニティを維持することが大切です。

ジャンルで探す