流暢な日本語と英語で｢おもてなし｣　ネパール出身スタッフがホテルで活躍　インバウンド完全復活へ期待

三重県鳥羽市で観光復活への動きです。

現在、市をあげて外国クルーズ船の誘致など、インバウンドの拡大に取り組んでいる鳥羽市。

それに伴って、ホテルや旅館で日常の光景になってきたのが外国人スタッフによる「おもてなし」です。

（ネパール出身 プザさん）
「ありがとうございます。お席までご案内させていただきます」

流暢な日本語で接客をするのは、ネパール出身のプザさん。

三重県内の専門学校で観光や接客について学ぶため、来日したのは4年前。

学校を卒業した2023年4月から新入社員として、このホテルで働いています。

（ネパール出身 プザさん）
「ネパールにいた時から接客の仕事が好きだったので、日本に来ても接客の仕事をしますという考えがあったので、接客の仕事を選びました」

このホテルでは「アフターコロナ」を見据え、3年前から外国人の雇用を積極的に進めていて、プザさんのほかにもネパールやベトナム出身の従業員を10人ほど雇っています。

（ネパール出身 プザさん）
「［英語］：こちらに小さい冷蔵庫があるのと、熱いお湯と冷たい水も用意してあるので、使ってください」

（鳥羽ビューホテル花真珠 女将 迫間優子さん）
「英語でのコミュニケーションを、お客様ととれるところが、すごく助かっている」

宿泊する外国人客からも、プザさんらスタッフの接客は好評です。

（台湾からの宿泊客）
「コミュニケーションがとりやすいです」

鳥羽市の外国人観光客数は、コロナ禍前の2019年は年間で12万人あまりいましたが、感染拡大で2021年は2612人と壊滅的な状況に…

日本人観光客も激減していたため、市内の多くの宿泊施設では、やむを得ずスタッフの人員削減を余儀なくされました。

しかし新型コロナが「5類」に移行したことしは、旅行需要は回復傾向に。

積極的に外国人スタッフを採用する宿泊施設が増えているのです。

（鳥羽市 海外誘客担当 勢力正太係長）
「雇用が進んでいけば外国人の方も来やすい環境が、これからできあがっていくと思うので、市としても期待しています」

（ネパール出身 プザさん）
「［英語］：QRコードをスキャンして、ルームサービスを頼むことができます」

ネパールでは、ホテルなどのサービス業は賃金が見合わないと家族の反対もあって、その仕事に就けなかったプザさん。

日本ではスタッフとして働けていることに満足しています。

これからの目標は…

（ネパール出身 プザさん）
「鳥羽の文化を勉強して、海外のお客さまにも鳥羽の文化を伝えたい」

鳥羽の文化や魅力を外国人観光客にどう発信できるかは、外国人スタッフの活躍も鍵に…地元では、インバウンド完全復活への期待が膨らんでいます。