“10年に一度レベルの大雪・低温”の恐れ 20日(水)頃から各地で「12月の寒波は特に注意」予想を上回る大雪に備えを【桜沢信司気象予報士解説】

12月としては気温が高く、暖かい日が続いていますが、16日(土)と17日(日)ではガラリと空気が入れ替わります。上空1500m付近で-6℃以下は、降水があれば平野部でも雨ではなく、雪が降る目安の寒気です。-12℃以下は大雪の目安です。

CBC

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寒気は17日(日)以降一気に

ピークは17日(日)と、20日(水)~22日(金)で、いったん弱まるタイミングはあるものの、24日(日)ごろまでは、日本列島に寒気が居座る可能性があります。

この時期としてはかなり強い寒気が予想され、気象庁からは「早期天候情報」が発表されました。

20日(水)頃から、その地域・時期としては、10年に一度しか起きないような著しい「低温」に加え、「大雪」の恐れがあります。

早期天候・低温(気象庁ホームページより)

<20日(水)頃~5日間平均気温>
東北          -2.3℃以下
関東・甲信・東海    -2.2℃以下
北陸・中国・九州・奄美 -2.6℃以下
近畿          -2.4℃以下
四国・沖縄       -2.5℃以下

雪は北陸・東海で平年の3倍近い量か

<20日(水)頃~5日間降雪量>
東北 平年の207%以上
(平年値:青森25センチ 秋田12センチ 山形13センチ 酸ヶ湯63センチ)

関東(長野県北部・群馬県北部)平年値の226%以上
(平年値:藤原52センチ 草津24センチ 長野7センチ)

北陸 平年の282%以上
(平年値:津南55センチ 新潟4センチ 富山10センチ 金沢5センチ 福井6センチ)

東海(岐阜県山間部)平年の289%以上
(平年値:白川39センチ 高山14センチ)

近畿(日本海側) 平年の350%以上
(平年値:彦根3センチ 舞鶴6センチ 豊岡7センチ)

山陰 平年の298%以上
(平年値:松江2センチ 鳥取6センチ 大山33センチ)

ことしは海面水温が高く降雪量が多めに

12月14日 海面水温 気象庁HPより 

この時期は日本海の海面水温が高い上に、ことしは平年より2~3℃も高い状況です。

海面水温が高いと空気中の水蒸気が多くなるため、降雪量も多くなります。また、上空の寒気の影響で大気のバランスが悪くなり、雪雲が発達します。

気象予報士としては「12月の寒波」には特に注意をしています。

名古屋市内(2022年12月24日)

予想を上回る大雪に注意

2022年12月24日は強烈な寒気の影響で、太平洋側の名古屋市内にも発達した雪雲が流れ込み、12月としては8年ぶりに積雪が10センチに達しました。

2014年には積雪23センチ。いずれも予想を超える積雪になったのを覚えています。

現段階では、今回は2022年ほど強い寒気ではないと予想していますが、今後、変わる可能性もありますし、12月の寒気は油断はできません。

まだスタッドレスタイヤなど、冬の備えを行っていない方、早めに対策をお願いいたします。(気象予報士・桜沢信司)

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