脚本家の山田太一さん(89)死去 残された鉛筆の直筆原稿「今の子だって激しくぶつかり合って心が溶け合うような人間関係を求めている」

テレビドラマの「岸辺のアルバム」や「ふぞろいの林檎たち」などを手がけた、脚本家の山田太一さんが、老衰のため11月29日に亡くなりました。89歳でした。

1986年に放送された番組「男にならない男たち」の中のCBCテレビのインタビューで、リアルな人間関係を避ける若者について質問されると…。

(山田太一さん)
「人間と人間の関係もものすごく激しくぶつかり合って、もう本当に心が溶け合うっていうような人間の関係っていうのかな、それは瞬間にせよね。そういう活気っていうのを、実は僕は求めてると思います今の子だってね」

そして、「山田太一スペシャル」と題したCBCドラマの脚本を担当。

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2005年に放送された俳優の緒形拳さんが主演のドラマ「いくつかの夜」では、孤独を抱えた人たちの人間模様を描き、高い評価を受けました。

山田さんの脚本について緒形さんはかつて「どっぷりと浸りきらないとどうしようもない。自分のことで精いっぱいな撮影期間でした」と話していました。

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(夏目みな美キャスター)
山田太一さんの脚本で、演じてきた数々の名優さんたちの言葉を聞いても、本当に心の機微に迫るような、浮き彫りにするような脚本だったんだろうなということがしのばれます。山田太一さんCBCテレビも大変お世話になっていますね。

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(大石邦彦アンカーマン)
そうですね。実はあの山田太一さんが手がけたドラマ、2001年度の第56回芸術祭優秀賞を獲得した、「再会」というドラマがあります。山田太一さん直筆の原稿と書いてあるんですが、これ直筆の脚本なんですよね。

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まず山田さんの署名があります。これ、中を見ますと、鉛筆の手書きなんですよ。これ描写やセリフ、事細かに記されているんですが、私を見ましたけども、やっぱりですね、あのドラマは頭の中でずっと進行してるんだけども、そのドラマの進行に手書きが追いついていってない。だから殴り書きのようになっているのかなというふうに感じましたね。

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時代や社会を“正面”というよりは“様々な角度”から描いた山田さんなんですけれども、今の時代を描くなら、どんな作品になっていたのか…見てみたかったです。

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