25日、東京・江東区で発生した若い男3人による強盗事件。警視庁が事件に関与したとみられる男3人の身柄を確保し、逮捕状を請求したことがわかりました。
どんな犯行だったのか、各地で多発する強盗事件との関連を元警視庁刑事の方と整理していきます。

江東区で強盗　3人に逮捕状

加藤シルビアキャスター:
▼事件が発生した場所
・東京メトロ東西線・南砂町駅から直線距離約600mの住宅街にある一軒家
・近辺にはショッピングセンターやホームセンターがある
・比較的人通りが多い

被害にあったのは、一軒家に住む70代の女性。他にも同居されている家族の方はいるということですが、事件が起きた午後4時過ぎには1人で夕飯の支度中でした。この時、男3人が押し入ってきたということです。事件当時、男3人のうち2人は黒の上下、1人は迷彩柄のパーカーを着ていたといいます。

25日午後4時20分ごろ、男3人が住宅に侵入し、住人の女性（70代）と鉢合わせた際「金庫はどこだ　騒いだら殺すぞ」と女性の口を塞ぎ、脅迫しました。その後、金庫から現金200万円ほどを奪って逃走したということです。

逃走する際、3人は他の金品も要求したものの、結局現金だけを奪い、徒歩で逃走したといいます。目撃した方の証言によりますと、被害者宅の前を西の方向に行き、その後北の方に曲がって逃走したそうです。
また、凶器は持っていなかったとみられるということです。警視庁は男3人の身柄を確保し、逮捕状を請求しました。

さらに、近隣住民の方に話を聞くと、被害者宅の裏手にある広場のような場所で、事件2日前に「マスクを着けフードを被った男2人が被害者宅の裏で立ち話をしていた。他人が入ってくるような道ではないので疑問に思った」という証言も出ています。

日比麻音子キャスター:
住宅街ですので、ご近所の方は大変不安な思いをされてると思います。
元警視庁刑事で、現在は防犯コンサルタントである吉川さんの気になるポイントはどこでしょう?

防犯コンサルタント　吉川祐二氏:
今回の強盗については、凶器などは使っていないんですね。そのことから考えると無計画と考えがちなんですけど、凶器がなかったということは、ある意味下調べが十分に行われていたとも考えられます。下調べを十分に行ったことによって、被害者が高齢であり無抵抗であることが分かった。そのようなことも調べた上での犯行ということが言えます。

また、下調べが行われたと考えられるもう1つの理由は、「金庫を出せ」という言葉が使われていることです。金庫の所在まですべて知っていたと言えますね。これらのことから、計画性のある犯行であるとみています。

日比キャスター:
この3人組に関しては何か関係性があったと見ていいんでしょうか?

吉川氏:
3人組ということで、最近起きている強盗事件の容疑者グループとどうしても同じように見られがちですよね。ただ、今回の3人は、他の事件の強盗犯を真似ているということも十分考えられます。模倣犯というものも非常に増えていると思います。ルフィと名乗る強盗団などを真似て同じような組織形態を作って犯行を行っているということもあり得ます。

各地で強盗多発　関連は?

加藤キャスター:
記憶に新しいのが、5月8日に発生した強盗事件です。銀座の高級腕時計店に高校生ら4人組が押し入り、車で逃走しましたが現行犯逮捕されたというものです。“闇バイト”での犯行ではないかと見られていますが、今回はこの事件などの模倣犯の可能性もあるんじゃないかということなんですよね。

井上貴博キャスター:
リスクが高くないですか?

吉川氏:
リスクは高いです。ですから今回、容疑者が凶器を使っていないということは、捕まったとしても、一般的な強盗でも強盗致傷にはならないということも考えていると言えます。法的に罪を軽減できるということはないですが、印象として罪が軽くて済むという考えですね。

歴史・時代小説家　今村翔吾氏:
僕もやっぱり「金庫を出せ」っていうので下調べしてるんだろうなと思ったんですけど、被害者宅にお金があり、金庫があるっていう情報を容疑者はどのようにして手に入れたのでしょうか。

吉川氏:
そこなんですよね。過去の強盗事件には、“アポ電”強盗というのもありました。いろいろと下調べの段階で「この家には金庫がある」ということを把握してるわけですね。このような手口も、やはりこれまで起きている一連の強盗事件と似ているということで、今回はそれを真似ているということが考えられます。もしくは、名簿についても過去の事件に関与した組織が使っていたようなものを使っている可能性もあります。

井上キャスター:
そうすると、プロが関与した犯行と言えますか。

吉川氏:
プロがいなければ、なかなかこれだけのことはできないんですけど、現場については素人の集まりと考えられます。