都知事選候補たち コロナに対する「ただの風邪」等主張の真意

YouTuberの平塚正幸氏も都知事選に参戦

 7月5日投開票の東京都知事選は、小池百合子氏の“圧勝再選ムード”でつまらない──そう決めつけていないだろうか。実は、新聞やテレビが「主要5候補」としか報じない裏では、史上最多となる22人が名乗りをあげている。その“あまりに個性的な選挙活動”に、ノンフィクションライターの柳川悠二氏が密着した。(文中敬称略)

【写真】「自身の当選はない」と語る立花孝志候補

 令和2年の都知事選には、過去最多となる22人が立候補している。現職の小池に、野党3党の支援を受ける元日弁連会長・宇都宮健児(73)、れいわ新撰組代表の山本太郎(45)、元熊本県副知事の小野泰輔(46)に、ホリエモン新党公認でNHKから国民を守る党党首の立花孝志(52)を加えた5人が大手メディアが「主要候補」とする候補者だ。

 候補者の中でも、とりわけシュールな選挙戦を展開するのが、自身が立ち上げた国民主権党党首にしてユーチューバーの平塚正幸(38)だ。

 選挙戦最初の土曜日、人出が増えた新宿南口に平塚の選挙カーは現れた。事前に録音した「新型コロナウイルスはただの風邪です」という主張を、到着からおよそ1時間弱、延々と流し続けた。

 平塚の陣営が誰もマスクをせず、「ただの風邪」と言い切っていることに、「そんなわけないだろう」と反発する聴衆もいた。そして、わざわざ車の前に来て両手を広げ、首を横に振る外国人の姿も。

 カオスに陥った新宿駅南口を、当の本人は2階テラスから見下ろし、撮影した動画をさっそくツイッターにアップロードしていた。いつまで経っても演説が始まらないため、じれた私は車内に戻った平塚を直撃した。

「(新型コロナは)季節性のインフルエンザと比べても感染者数は少ない。嘘を流すメディアこそ病原体です。新型コロナウイルスで死んだ人は知り合いにいないし、亡くなった方の平均は75歳ですよね。申し訳ないけど、もともと死に近かった人しか亡くなっていない」

 平塚の最後の言葉に、背筋がゾッとした。「この様子をYouTubeで流していいですか?」と逆質問をしてきた。選挙活動につながるなら何でもありである。

 4年前の都知事選で立花孝志を上回る11万票以上を獲得した日本第一党党首の桜井誠(48)だが、国政政党の推薦等はなく、“主要候補”とは扱われない。

 コロナ問題で中国からの入国規制など水際対策の遅れの責任を巡って、「小池百合子はまず都民に謝罪すべき。安倍晋三にも同じことが言いたい」と主張する。

「武漢肺炎対策」として街頭演説を一切中止。ウェブ上の演説で「公平に取り上げない既存メディアに期待はしない」などの主張を続ける。

【都知事選の候補者一覧(届け出順。敬称、肩書き、所属政党は略)】
山本太郎、小池百合子、七海ひろこ、宇都宮健児、桜井誠、込山洋、小野泰輔、竹本秀之、西本誠、関口安弘、押越清悦、服部修、立花孝志、斉藤健一郎、後藤輝樹、沢しおん、市川浩司、石井均、長澤育弘、牛尾和恵、平塚正幸、内藤久遠

※週刊ポスト2020年7月10・17日号

ジャンルで探す