《愛子さまが“黒柳徹子ゆかりの美術館”を訪問》40年以上前から続く黒柳徹子と皇室の縁、美智子さまとの深い交流 

日赤へのご就職から半年が経った愛子さま(9月、東京・千代田区。撮影/JMPA)

「初の民間出身皇太子妃」と「テレビ女優第一号」──美智子さまと黒柳徹子は、チャリティーや福祉への情熱が共鳴する間柄だという。そんな2人の想いを引き継ぐのは、60才以上年の離れた愛子さまだ。この夏、愛子さまは人目を忍んで、「憧れの黒柳」ゆかりの場所を訪れていた。 

「国体」の略称で親しまれてきた国民体育大会のネーミングが、今年から「国民スポーツ大会」に改められる。節目の開催で、天皇家の長女・愛子さまは、初めての単独地方公務を迎えられる。愛子さまは10月11日から1泊2日で、“国スポ”の開催地である佐賀県を訪問される。競技観戦のほかに、赤十字血液センターや、佐賀の伝統産業の1つである名尾手すき和紙の工房などを視察される予定だ。 

「もともとは、9月下旬の石川県訪問が“初単独地方公務”になるはずでした。しかし記録的な豪雨被害によって取りやめになりました。石川訪問については、今後再検討されるでしょう」(皇室記者) 

 今年4月に日本赤十字社(日赤)に就職され、新社会人として半年を過ごされた愛子さまは、この秋から皇族としての務めを本格化させられる。そのときには、祖母である上皇后美智子さまと“盟友”のお気持ちに、人知れず触れたこの夏の経験を存分に生かされるに違いない──。 

 栃木県那須町にある県道21号線は、「ロイヤルロード」とも呼ばれている。天皇や皇族が静養のため那須御用邸に滞在される際、必ずと言っていいほど通る道だからだ。そのロイヤルロード沿い、那須御用邸から南に2kmほど離れた場所に、昨年4月にある美術館がオープンした。 

 平日でも人の姿が途絶えることのないエントランスを入ると、2階まで吹き抜けのロビーには、その美術館のために制作されたという、パウル・クレーの絵画をビーズで再現した、縦4m、横3mの圧倒的迫力の作品が来館者を出迎える。 

 各フロアには、ビーズと宝石を贅沢にちりばめたオートクチュールドレスや、絵画をビーズ刺繍で再現した模写作品など計150点が並ぶ。そこは、ビーズ刺繍作家の田川啓二氏の作品を展示する「田川啓二美術館」だ。 

「那須御用邸で静養中だった天皇ご一家は9月13日の夕方、美術館を極秘に訪問されました。通常は17時に閉館するところ、当日は15時に閉館しての対応でした。田川氏自身が案内役を務め、ご一家は1時間ほどかけて作品をご覧になりました。ご訪問は、愛子さまたってのご希望だったと聞いています」(宮内庁関係者) 

「さながら“黒柳徹子美術館”」 

 田川氏には、黒柳徹子(91才)の所属事務所社長という横顔もある。だからか、その美術館には田川氏が手掛けた黒柳の衣装のほか、黒柳の母・朝さんのコレクションであるビーズのバッグなども展示されている。また、美術館内の売店には黒柳の代名詞であるトットちゃんのイラストが入ったバッグやポーチが並び、「さながら“黒柳徹子美術館”のよう」(芸能関係者)なのだ。 

 黒柳と皇室の縁は40年以上前から続く。黒柳は1979年、アメリカのろう者劇団による手話劇の日本公演を招聘し、自らも舞台に立った。その公演を、当時皇太子妃だった美智子さまが、上皇さまとご一緒に鑑賞されたのだ。 

「当時はいまほど、ろう者や手話への社会的理解がありませんでした。美智子さまは、歌番組の人気司会者として多忙な黒柳さんによるこうした活動に胸を打たれ、終演後には楽屋を訪ね、黒柳さんや出演者に声をかけられたといいます。美智子さまは黒柳さんと、そこから深い交流を始められました」(皇室ジャーナリスト) 

 黒柳の自伝的小説『窓ぎわのトットちゃん』の大ヒットは出会いから2年後。1982年の春には、園遊会に招待されたこともあった。その後、1984年にアジア人として初めてユニセフ親善大使になった黒柳は、世界各地を訪問しながら、子供や障害のある人を支える活動を行ってきた。 

「そうした姿勢に美智子さまは共感され、黒柳さんの活動に労いの気持ちを持たれていたようです。美智子さまと黒柳さんは1学年違いで戦争体験や児童文学への高い関心など共通する部分も多く、波長が合ったのでしょう」(別の宮内庁関係者) 

 ごく私的な交友ではあったが、2014年5月には、美智子さまの帽子を手掛けてきたデザイナー・平田暁夫さんを送る会で、美智子さまと黒柳が親しげに言葉を交わすシーンがあった。また同年、美智子さまが傘寿を迎えられた際には、黒柳は朝日新聞のインタビューで、日本画家の堀文子さん(享年100)と皇居で美智子さまと歓談したエピソードを明かした。 

 それから10年が経ち、美智子さまは上皇さまの退位によって、公務から距離をおかれて久しい。一方の黒柳は、いまも冠番組のMCを務めながら、慈善活動・平和活動に引き続き取り組んでいる。そうした活動は、日赤で働く社会人としての愛子さまの「本業」であり、また、これから期待される皇族としての活動と重なる部分も多いのかもしれない。 

  

※女性セブン2024年10月17日号 

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