ジャニーズ性加害問題に「深い憂慮」、国連作業部会が報告書 石丸さん「一企業を名指しした問題提起は画期的」

石丸志門さん(2023年11月17日、埼玉県内、弁護士ドットコムニュース撮影)

国連人権理事会の作業部会は、旧ジャニーズ事務所の創業者、故・ジャニー喜多川氏による性加害問題の調査報告書を公式サイトで公表した。

報告書では「数百人のタレントにまつわる性的搾取と虐待の疑惑に深い憂慮を抱いている」とし、「日本のメディア企業は何十年もの間、このようなスキャンダルの隠蔽に関与してきた」とも指摘した。

被害者に対する補償について「スマイルアップの努力は認める」としながらも、「賠償請求を不服としている被害者を含め、適時に救済を要求している被害者のニーズを満たすにはまだ遠い道のり」として、メンタルケア相談窓口のあり方などの不備にも言及した。また「金銭的補償では弁護士費用が含まれておらず、被害者自身がその費用を負担しなければならないことは容認できない」とした。

報告書は6月下旬、国連人権理事会に提出される見込みだという。

この報告書について、ジャニー氏による性被害を告白した石丸志門さんは5月29日、「スマイルアップに一定の評価はしつつも、具体例を示して非難しています。正直考えていたより表現が緩く、国への指摘もこの件に紐づけては言及されていなかったので、残念な気持ちがあります。とはいえ国連関連の機関が一企業を名指しして問題提起している点はエンタメ業界としては画期的重大インシデントと捉えることが出来るのではないでしょうか」とコメントした。

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