「ゆるポイ活」で5年間で23万円獲得。引き出しに眠る金のネックレスが15万に!無理のない節約術「貯め活」で心も懐もあたたかく過ごそう
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電子マネー活用で5年間で23万円獲得
貯め活と言えば、やはり「ポイ活」は外せないだろう。ソフトバンク社のスマホを使っているリエさん(53歳)は、日常でゆる~くPayPayポイントを貯める「ゆるポイ活」をしている。
「スーパーやドラッグストア、コンビニで買い物をする際は、できるだけPayPayで支払うようにしています。ソフトバンクユーザーは買い物をするたびに1.5%のポイントがつくうえ、キャンペーン期間にはその場で自動的にクジ引きが行われ、当たれば決済金額の0.5~100%のポイントが還元されるんです」
グループ企業であるネットショップ「Yahoo!ショッピング」で買い物をする場合、ソフトバンクユーザーは最初からポイント付与率が高く設定されているが、さらにお得になるのが不定期に開催される「超PayPay祭」だ。期間中は条件によって最大24・5%のポイントがもらえる。銀行に預けても利子がつかない昨今、この還元率は大きい。
「先日、PayPayから『あなたは5年間で23万円分のポイントを獲得しました』とお知らせがきました。もう嬉しくって。塵も積もれば山となる、ですね」
貯めたポイントは、季節ごとに行く夫との温泉旅行の費用に充てているという。
リエさんはソフトバンクを利用しているためPayPayを選択しているが、楽天ユーザーには《楽天経済圏》と言われるネットワークがある。
これは楽天会員、楽天カード、楽天ペイなど、生活のあらゆるサービスを楽天グループでまとめると、ポイントを効率的に貯められること。ネットショップの「楽天市場」で開催される「楽天スーパーSALE」や「お買い物マラソン」などでは、ポイントの獲得率がアップする。
地方自治体の中には、地元の消費喚起を目的に、PayPayや楽天ペイと連携して地域限定のキャンペーンを行うところもあるようだ。
「ほかにも、企業ではなく、地方自治体が発行するポイントがねらい目です。私の住む神奈川県では、キャンペーン加盟店でアプリを経由して買い物をすると、最大20%(上限3万円)が還元される『かながわPay』を実施していました。先日第3弾が終了したのですが、行きつけのヘアサロンでも使えて本当に便利でしたよ。今は第4弾の開始を心待ちにしています」
自治体によっては紙のクーポン券を発行しているところもあるので、実施予定の有無や時期などを、地元の広報紙などで確認して、しっかり利用したい。
現金決済のスーパーでお金の減りが明確に
キャッシュレス派のリエさんに対して、現金決済に切り替えて「貯め活」を実践する人もいる。ミチコさん(62歳)は最近、毎日買い物に行くスーパーを見直した。すると、家計に余裕ができたという。
「これまでは電子マネーが使えるスーパーを利用していました。すると、ついつい買いすぎて、引き落としの金額に青ざめることが多くて。そこで3ヵ月前に、現金しか使えないスーパーに鞍替えしたんです」
店側がクレジットカード決済を導入するには加盟店手数料が必要。その手数料が商品の価格決定に影響することも少なくない。ミチコさんが選んだ店は、現金オンリーだからか、商品の価格が他店に比べて格段に安い。
現金をおろす手間があるため、最初は面倒に感じたミチコさん。ところが、お金の減り具合が可視化できるようになったことで、自然と無駄遣いが減るという副産物が。確かに現金が目に見えて減っていくと、「財布の紐を締めなくては!」という気持ちになるだろう。
「最近では余計なものを買わないよう、『今日は2000円まで』と一定の金額だけを持って行くように。これまで空き瓶に貯めていた小銭もスーパーで使えるので、一石二鳥です(笑)」
金のネックレスが15万になった!
金価格高騰の今、使わなくなった貴金属をリサイクルショップに持ち込んで現金化するのも、貯め活になる。会社員時代に買った金のアクセサリーが予想以上の高値で売れたと喜ぶのは、ヨウコさん(75歳)だ。
「今年の夏、キッチンの引き出しを整理した際、奥から金色のコインが出てきたんです。会社員時代に1万~2万円ほどで買った、表にエリザベス女王、裏に猫の刻印があるペンダントトップ。ちょうど遊びに来ていた娘にあげようとしたら、『ダサいからいらない』と言われました(笑)」
ヨウコさんが処分しようとしたら、娘が「ちょっと待って。もしも本物の金だったら今は高く売れるよ」と。どうせならほかの貴金属も一緒に処分しようと、押し入れの中にしまっていたアクセサリーボックスを引っ張り出してみた。
ボックスの中には明らかなイミテーションや、本物のダイヤの指輪などが混在している。そんななか母娘が色めき立ったのは、宝石のまわりに金の装飾が施された指輪を2つ見つけたときだ。
「昔、羽振りがいい男性からいただいたものなんですが、その男性とは今は疎遠なので気遣いは不要。娘と『これは高く売れそうだね』とニヤニヤしました」
娘が「複数の貴金属買い取り店を回って見積もりを取ったほうがいい」と言うので、一緒に、地元の百貨店内にある某チェーン店に向かうことになった。
「ペンダントトップは、イギリス政府が毎年発行しているものらしく18金。チェーンは後から別に買ったものでしたが、こちらはなんと24金。この2つで15万円になりました。一方、男性からもらった指輪は期待したほど高値にならず、2つで5万円。デザインが古い指輪は、土台の金やプラチナにしか値がつきませんでした」
結果、査定総額は29万円。そこでヨウコさんが「もう一声!」と粘り、30万円で買い取ってもらった。「娘が付いてきてくれたから、強気で交渉できた」と、振り返るヨウコさん。査定後、娘と豪華なランチを楽しんだという。
「臨時収入でホクホクです(笑)。金が高騰している時期だったのでラッキーでした。とはいえ、無駄遣いは禁物。大半は貯金に回しました。次は手つかずの納戸を片づけて、何か売れるものを見つけたいです」
そう語るヨウコさんの笑顔は輝いていた。
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多少お金を節約できたとしても、そのためにイライラしたり、家庭の雰囲気が悪くなったりしては本末転倒。その点、今回話を聞いた人たちは、無理をせず、充実感を得ながら貯めている印象を受けた。
物価高に翻弄される年の瀬。自分らしく貯め活をして、心も懐もあたたかく過ごしたい。
02/14 12:30
婦人公論.jp