絵師の仕事が奪われる? アニメ風イラストを学んだ中国の画像生成AIがいろいろやばい

中国AIの実力は…?

イラスト生成AIが著しく進化している。2015年に「日本の労働人口の49%が人工知能やロボットで代替可能に」というレポートが出たときも、AIやロボットがクリエイティブな仕事をするのは難しいだろうと考えられていた。しかし、最近登場したAIが生成する画像のクオリティは、既にイラストレーターが失業を心配するレベルに達している。中でもオタクたちを驚愕させているのが、中国で開発されたAI「ERNIE-ViLG」だ。

続々登場! 大ブームの「イラスト生成AI」たち

いま、全世界で一大ブームとなっているのは、「Midjourney」や「Stable Diffusion」など、文章をそれっぽいイラストにしてくれる画像生成AIたちだ。画像生成AIは以前もあったが、最近はちょっと理解不能なぐらいイラストのレベルがアップ。ブームになるのも頷けるクオリティなのである。

今回ブームの先駆けとなったのは「DALL・E2」が2022年4月、研究者・専門家向けにサービス提供を始めたことだ。続いて「Midjourney」が2022年7月にオープンβを開始、一般人も手軽に利用可能になって一気に広がった。サクッと会員登録すれば、25枚までは画像を無料生成できるとあって、ここで画像生成AIを初体験したという人も多い。

さて、Midjourneyの「画力」は極めて高い。入力を受け付けるのは英語だけだが、ものすごく「それっぽい」画像を生成してくれる。試しに「コミケに来たコスプレイヤー」と英文で入力したところ、ちゃんと意図を汲んだ画像が生成された。

結構それっぽい

しかし、欧米発サービスのイラストは、サイバーパンク風だったり、写実的だったり、「欧米のサイトでよく見る」テイストになる。画像生成AIの画風は、ざっくり言うとAIが「どんな絵を学んだか」によって大きく変わってくる。ようは、AIに学ばせる画像収拾に協力した人たちの「趣味」によって、生み出される絵のテイストがまるで変わってくるということだ。

めちゃくちゃアニメっぽい絵を描く中国のAI

その点、中国のネット企業「百度」が8月30日に公開した「ERNIE-ViLG」は、日本のマンガ・アニメ風イラストを得意としている。スタイルの選択で「アニメ風」を指定すれば、そこらのアニメやゲームに登場していそうな、実にそれっぽいキャラクター画像を生成してくるのである。

試しに、筆者が最近毎日楽しんでるゲーム「原神」のキャラクター名を入力してみたところ、いかにもなキャラクター画像が生成されてきた。このAIの詳しい仕様はわからないが、おそらく膨大な「アニメ風・ゲーム風の画像」を学習させているのだろう。

クオリティが高い

日本でもアニメ風イラストのタッチを学び、それっぽく再現する画像生成AIサービス「mimic」がローンチ直後に大炎上 → ほぼ即座に公開停止となった。対して「ERNIE-ViLG」は、ほぼ同じ機能を持っているのだが、平然とサービス提供中である。これが「大陸的大らかさ」(褒めてない)か……。

しかし、ここまでになってくると、クリエイティブの極地だったはずの「イラストレーター」という仕事に影響が出てくる日も、そこまで遠くないのかもしれない。このところサッパリの日本で、数少ない先端分野の一つがマンガ・アニメ産業だったわけだが、その未来はいったいどうなってしまうのか……。

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