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介護で疲弊した若者が祖母を殺害…自分が追い込まれないためには?

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。12月21日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、「毎日新聞」ニュース配信動画「まいもく」MCの中嶋真希さんが“介護で疲弊した人をどう助けるか”について述べました。

◆介護疲れで祖母を殺害…その背景は?

2019年10月に同居中の祖母を殺害し、「介護で寝られず限界だった」と語っていた22歳の女性の裁判が神戸地裁で行われました。検察側は懲役4年を求刑していましたが「介護による睡眠不足や仕事のストレスで心身ともに疲弊し、強く非難できない」とし、懲役3年執行猶予5年の判決が言い渡されました。

この女性は、仕事をしながら認知症の祖母の介護をほぼ1人で行っており、睡眠時間は1日2時間程度。近所に親族が住んでいたものの、祖母に学費を出してもらったこともあり、介護を引き受けていました。

この事件は話題となり、自身がMCを務めている「まいもく」で取り上げた際も「親族は何をしていたのか」、「ケアマネージャーはなぜ気づかなかったのか」、「地域社会に責任はないのか」など多くの声が寄せられたそうです。

しかし、そういった意見に対し中嶋さんは「祖母を殺してしまうほどの苦しみを地域社会やケアマネージャーの力で解決できたのか」と疑問に思い、介護支援コンサルティングを行っているNPO法人「となりのかいご」の川内潤さんに取材。

川内さんによると、介護を担っている若い世代は、親は仕事をしているため“介護をするのは自分しかいない”と追い詰められ、疲れきってSOSを出す力すら残っていないと話していたとか。また、ケアマネージャーも基本的に契約者としか話をせず、誰が介護しているのか把握するのは難しいため、「周囲の人が気づくのは本当に難しい」と中嶋さん。

ただ、何もできないわけではなく、例えば、「つらそうに車椅子を押している人がいる」、「夜中に大声が聞こえる」、「高齢者が徘徊している」など、何か異変に気づいた際には地域包括支援センターに匿名で通報することができます。これはあらゆる高齢者の福祉相談に対応する窓口で、通報があれば当事者にヒアリングし、必要な福祉に繋げてくれるなど対応をしてくれます。

◆プロでも家族の介護は難しいのが現実

では、もしも自分が介護する側になった場合どうすればいいのか。川内さんが挙げていたポイントは2つ。1つは「プロでも家族は介護できない」。資格を持った方でも家族を介護となると感情的になり、ケアはとても難しいとか。親に優しくできないのは誰もが当然で、つらくなったら家の外に出てまずは落ち着き、地域包括支援センターなどに連絡するよう促します。

もう1つは「愛情があるからこそ、介護は“外部委託”を」。最近では、介護疲れから、介護する側が先に倒れてしまうこともあるため「愛情と介護は切り離して考え、積極的に外部委託してほしい」と川内さんは助言していたそうです。その際、金銭的な問題がある場合は、ケアマネージャーなどに相談するといいそう。

総じて川内さんは「仕事を辞めず、自分の人生を大事にしながら介護を続けることが重要」と主張していたと言い、中嶋さんは「介護は“家族が愛情を持って行うもの”という考えに縛られていると苦しんでいる人のことを救えないし、自分も苦しむことになるので、まずは“自分の人生を大事にしていい”という考えが広まってほしい」と期待を込めます。

過去に本番組でも介護する若者「ヤングケアラー」を特集したことがありますが、キャスターの宮瀬茉祐子は、彼らのような存在はあまり認知されておらず、想像しにくいだけに、それをどう伝えていくかを危惧。「そういった部分も、今後はちゃんと考えていかないと」と話すと、中嶋さんも「周囲の人が手を差し伸べられるような仕組みが必要」と訴えていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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