危険運転の「特定少年」に懲役9年の実刑判決 名古屋3人死傷事故

検察側によると、男の運転する車は奥側から手前に走行し、カーブを曲がりきれず橋の欄干(写真左下)に衝突したとされる=2023年5月17日、名古屋市東区、渡辺杏果撮影

 名古屋市東区の3人死傷の交通事故で、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)や犯人隠避教唆などの罪に問われた工員の男(20)の裁判員裁判の判決公判が28日、名古屋地裁であった。森島聡裁判長は「速度を落とすよう制止している同乗者の声に耳を傾けず、自らの判断で高速度走行をした。刑事責任は重い」とし、懲役9年(求刑懲役10年)を言い渡した。

 判決は、危険性の高い走行による事故で同乗者を死亡させたり、重い後遺症が残るけがを負わせたりした点を「被害者の苦痛は計り知れない。結果は重大」と指摘。「(男は)常習的に飲酒運転をしており、交通法規順守の意識は低かった」と非難した。

 判決によると、男は2023年5月14日、酒気帯びの状態で車を運転。最高速度が時速40キロに指定されている道路を、時速106~111キロという制御困難な高速度で走行して車を橋に衝突させ、乗車中の少女(19)を死亡させて少年2人に重傷を負わせるなどした。男は当時19歳だった。

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〈おことわり〉改正少年法で、18、19歳の「特定少年」が起訴された場合は実名報道が可能になりました。今回の事件は、事件の内容と少年法の理念を総合的に考慮し、匿名で報じます。(渡辺杏果)

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