車の100年、女性の視点で見てみると… トヨタ博物館が初の企画展

「モータースポーツに挑む女性たち」のコーナーで紹介される「いすゞ ヒルマンミンクス」=愛知県長久手市のトヨタ博物館

 車と人とのかかわりや多様性を、歴史や開発現場からひもとく企画展「日本のクルマとわたしの100年」がトヨタ博物館(愛知県長久手市)で開催されている。「日本におけるクルマと女性のかかわり」をテーマに、自動車史を五つのゾーン、自動車9台を紹介する。女性を焦点に当てた企画展は開館以来初めて。

 展示では、1917年に運転免許証を初めて取得した女性から、現在の女性エンジニアの活躍までを年代別に五つのテーマに分けてパネルで紹介。50年代からモータースポーツに参戦していた女性を展示するゾーンでは、59年から始まった女性による東京―大阪間の自動車レースで使われていた「いすゞ ヒルマンミンクス」などテーマに合わせた自動車も並ぶ。

 女性エンジニアへの独自のインタビューでは、2014年発売のマツダの「4代目デミオ」で、女性視点を取り入れたことで、シートに深く腰掛けられず運転しづらい姿勢になってしまう女性の不安を解消し、老若男女問わずどんな体格でも座りやすくなったことを紹介。改良を重ねながら、現在のマツダ車にも引き継がれているという。

 展示担当者は「女性の運転免許取得率が約半数になり、車の開発にも女性がエンジニアとして関わる今、新たな視点でこのような展示を企画した。歴史を振り返りながら車と多様性を考えるきっかけになってほしい」と話す。

 入館料は大人1200円、中高生600円などで、企画展も見ることができる。来年1月13日まで。

    ◇

 朝日新聞フォーラム面のアンケートで、博物館や資料館などの展示施設におけるジェンダー平等について、ご意見を募集しています。アンケートページはこちら(https://www.asahi.com/opinion/forum/209/)へ。(小原智恵)

ジャンルで探す