「イルカにかまれた」3年で53人負傷 人慣れした「同一個体」か

単独で泳ぎ、人に近づく野生イルカ=2022年6月、福井県越前町、遊泳者提供

 福井県沿岸で海水浴客が野生のイルカにかまれている問題で、2022~24年の海水浴シーズンに少なくとも53人が負傷していたことが、警察や海上保安庁への取材で分かった。

 朝日新聞が福井県警や敦賀海上保安部の協力を得て記録を集計。53人のうち47人が手や腕にケガを負っていた。イルカをなでたり、振り払ったりした時にかまれるケースが目立つ。ほとんどが海水浴場で起きていた。

 イルカに体当たりされ、肋骨(ろっこつ)が複数折れた男性(62)もいた。

 県警や海保は「イルカを見たら海から上がろう」と呼びかけているが、動画撮影などのために自ら近づき、かまれるケースが後を絶たない。

 三重大学の森阪匡通教授(鯨類学)は、イルカの背びれの特徴などから、同一個体の可能性が高いとみている。(乗京真知)

ジャンルで探す