「EPが来た」繁華街の客引き対策、千葉市の切り札 予算5千万円超

街を見回る警備員=2024年6月7日午後7時10分、千葉市中央区、芹沢みなほ撮影

 繁華街の違法な客引き行為に悩んだ末、投入された切り札は格闘技経験者の警備員だった。トラブル対策として胸元に防犯カメラを付け、20~30代の男性が2人1組で行動する。罰則を与える権限はないが、条例に基づいて声をかける。5千万円を超える対策費の効果は出るか。

 金曜日を迎え、居酒屋やガールズバーが並ぶ千葉駅周辺の繁華街。「居酒屋どうですか」。仕事を終えた会社員や大学生を狙い、客引きが路上を動き回っていた。

 車道で客を待つ女性らに屈強な男性2人が近づく。黒色のキャップをかぶり、蛍光の黄緑色のシャツの背中には大きく「SECURITY」の文字が浮かぶ。「(条例に)違反のないようにお願いします」。注意を受け、女性らは不満そうな表情で歩道に移動した。

 この男性らは、千葉市が5月末から委託した警備会社・エグゼクティブプロテクション(EP 本社・東京都港区)の警備員。関東を中心に繁華街警備に強いとされる。約12年前に始まった東京・新橋の客引き対策を皮切りに、新宿・歌舞伎町や原宿・竹下通り、赤羽といった都内でも有数の繁華街で実績を積み上げたプロだ。今年から千葉市以外に船橋市と松戸市でも繁華街を警備する。

 格闘技に加え、スポーツ経験者が中心だ。指導と教育の責任者の山本信司さん(69)は「若くてがっちりした人が多い。見た目でなめられないのが大事」と話した。

■積み上げた実績 客引きも認識「EPが来た」と警戒

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