豚熱の感染拡大防止へ 飼育数の3割を占める九州、ワクチン接種開始

佐賀県畜産試験場の豚にもワクチンが接種された=佐賀県提供

 佐賀県での豚熱(CSF)の発生を受け、福岡、佐賀、長崎、大分の4県で19日、飼育している豚への予防ワクチンの接種が始まった。熊本、宮崎、鹿児島の3県も27日に接種を始め、豚の飼育数で全国の3割を占める九州で感染防止対策の徹底をはかる。

 豚熱は8月末、佐賀県唐津市の養豚場2カ所で感染を確認。九州での確認は31年ぶりで、危機感を高めた農林水産省は九州7県をワクチン接種推奨地域に指定していた。

 感染が判明した佐賀県では19日、県内の約6万6千頭を対象に初回の接種を開始。佐賀県は今年3月に農家を対象に接種の研修をしていたが、飼育数が多い九州南部は準備に時間がかかっており、27日にそろって接種を始める。九州全体では対象は計約260万頭にのぼる見通しで、初回接種は福岡県などは10月初旬までに、宮崎県なども11月までに終える予定としている。

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