ノーベル賞吉野さん、授賞式へ 「記念講演が楽しみ」

出国を前に笑顔を見せる吉野彰さんと久美子さん夫妻=2019年12月5日、千葉県成田市の成田空港、三上元撮影

 今年のノーベル化学賞に選ばれた吉野彰(よしのあきら)・旭化成名誉フェロー(71)が5日、授賞式のあるストックホルムに向けて出発した。出国前に成田空港で会見し、「ノーベルレクチャー(記念講演)が一番楽しみ。受賞理由の一つだった環境問題に対してこういう道筋がある、とメッセージを送りたい」と抱負を語った。

 吉野さんはリチウムイオン電池の開発について、「研究が成功し、製品が出て、世の中が変わる。その先に今回の賞。研究開発のフルコース、終着点だ」と笑顔を見せた。講演は30分だが、「話したいことが1時間分くらいあって、収めるのが大変。最後のまとめは考えている途中です」。恒例になっている博物館の椅子へのサインについては「練習してきましたよ」と笑いを誘った。

 さらに、環境問題の解決について「環境に貢献できて、今まで以上に便利で、安く。三つそろえば誰も文句を言わない。そろそろ三つがバランスする時期。そう遠くない時期にたぶん実現できる。産業を生み出す絶好のチャンスだ」と期待した。

 同行する妻の久美子さん(71)は「10月に発表があり、まだまだ先と思っていたらあっという間でした」と話した。

 吉野さんは現地でレセプションなど各種行事に出席し、10日夕(日本時間11日未明)の授賞式に臨む。(三上元)

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