靖国神社境内は「建造物」 侵入し抗議の中国人2人有罪

 靖国神社の参道で日本の戦争責任について抗議した中国籍の男女が建造物侵入罪で起訴された事件で、東京地裁(野沢晃一裁判長)は10日、郭紹傑被告(55)に懲役8カ月執行猶予3年(求刑懲役1年)、厳敏華被告(27)に懲役6カ月執行猶予3年(同10カ月)の判決を言い渡した。「恣意(しい)的な起訴だ」という被告側の無罪主張を退けた。

 郭被告は香港の市民運動家で、厳被告はラジオ局記者。判決によると、2人は昨年12月12日午前7時ごろ、東京都千代田区の神社境内に侵入した。郭被告は参道で「南京大虐殺を忘れるな」と中国語で書いた横断幕を広げ、A級戦犯の東条英機・元首相の名を書いて位牌(いはい)にみたてた紙の箱を燃やし、厳被告はその様子を動画撮影した。

 弁護側は、屋外の参道は建造物に当たらず、仮に罪が成立しても起訴するほどの行為ではないと主張。判決は、現場は柵や塀で仕切られた「建物付属地」で刑法上の建造物に当たると認定した。さらに「犯行は悪質だ」とし、日本政府やA級戦犯を合祀(ごうし)する靖国神社への批判を押さえつける恣意的な起訴だとみる事情もないと判断した。

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