ホテルそば急接近、突然の爆音 ヘリ目撃者「まさか」

群馬県防災ヘリの機体が見つかった山中の現場。航空自衛隊のヘリが捜索していた=2018年8月10日午後3時4分、群馬・長野県境の渋峠付近、朝日新聞社ヘリから、長島一浩撮影

 半年前に噴火が起きた草津白根山の近くの山林に、ヘリの機体が散らばっていた。群馬・長野の県境近くで10日、発生した9人乗り防災ヘリの墜落事故。直前には、低空で飛行する姿が目撃されていた。2人の死亡が確認され、救助活動は10日夜まで続いた。

 「ババババババ」

 午前10時ごろ、墜落現場から約2キロ南にある長野県山ノ内町の渋峠(しぶとうげ)ホテルの児玉英之専務(47)は、突然響いた爆音を聞いて、ホテルの玄関に駆け出た。

 標高約2千メートルに位置する3階建てホテルの上空を見上げると、ヘリが長野方面から群馬方面に向かって飛び去った。「手が届くぐらいの低空を飛んでいた。何かの捜索か撮影かと思った」

 直後に墜落したとみられるが、飛んでいるヘリに異常があるようには見えなかったという。午後になってヘリが付近で消息を絶ったことを知って「まさか、こうなるとは……」と驚いた様子で語った。

 午前9時過ぎから渋峠ホテルの前で桃を販売していた果樹園経営の山本俊則さん(61)も、うなるような低い爆音を耳にした。すると、ホテルからわずか数十メートルの上空に、ヘリが突然現れた。機体がはっきりと見え、下部に書かれた「群馬」の文字が読み取れるほどだったという。

 この果樹園で働く土肥浩之さん(50)はヘリの大きな音が一度聞こえなくなったと思ったら、再び聞こえたという。「遭難した人を捜索しているのかと思った。ヘリが墜落するとは想像もしなかった」

 渋峠ホテルの付近にいた人たちによれば、この日は朝から雲が多く、霧でかすんでいた。雨は降っておらず、風も吹いていなかったという。

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