新米をもっと美味しく! ご飯を炊くときの5つのNGポイント

もう、新米は召し上がりましたか?せっかく新米を買ったら、おいしく炊きあげたご飯をいただきたいですよね。

和食料理人で家庭でも実践できる料理の極意を伝授している野﨑洋光(のざきひろみつ)さんに、ご飯を炊くときにやってはいけないことと、お勧めの方法を伺います。

NG(1)力を入れて米をとぐ

炊飯器でおいしく炊くためには、まずは米のとぎ方が大切だと言います。

「今は精米状態がよく米にぬかはあまり残っていないので、力を入れてとぐ必要はありません。力を入れ過ぎると米が欠けたり、粒が不揃いになってしまうことがあります。そのため、洗うときは水の中で大きく混ぜる程度にしましょう」(野﨑さん)

NG(2)吸水させた水をそのまま使って炊く

他にもご飯を炊く前に注意することがあるようです。

「米は乾物なので、豆を炊くときのように、水を吸わせて乾物臭を流さなければなりません。ただし、吸水が長すぎると表面がくずれやすくなるので、注意してください。

まずは米をボウルに入れ、たっぷりの水を加えて15分吸水させ、そのあとザルに上げて15分水切りをします。後半の15分は、表面の水を吸水する時間と考えましょう。

また、吸水させた水は米の乾物臭などが流れているので、米を炊くときは吸水させた水をそのまま使うのは避けてください。新しい水で炊くことですっきりした味わいのご飯に仕上がります。

水の量も通常は米の1.2倍にしますが、しっかり吸水させた米の場合は、米と同量にしてください」(野﨑さん)

ただし、新米の場合は注意が必要です。

「新米の場合は臭みがなく、米の研ぎ汁が隠し味になるので、水切りをしてから新しい水で炊くのではなく、吸水させた水で炊いてください。水も少なめにしなくても大丈夫です。新しい水で炊くよりも米の甘味を感じます」(野﨑さん)

NG(3)吸水後に炊飯器の普通モードで炊く

炊飯器に入れたら、炊飯スイッチを押すだけでいいのでしょうか?

「スイッチを押すだけというのは、普通モードで炊くということですね。吸水させた米の場合は、それではうまく炊けません。

家庭用の炊飯器は、吸水時間を含めた時間設定がされています。ですから吸水と水切りが行われた状態であれば、早炊きモードで炊いたほうがいいのです。もし早炊きモードがなければ、普通の炊き方をしてください」(野﨑さん)

NG(4)炊き上がり後、食べるまでそのまま

炊き上がったら、食べるまでそのままにしておいていいのでしょうか?

「炊き上がったご飯をそのままにしておくと、食感が悪くなります。5分くらいは“蒸らす”ためにそのままにしていいのですが、それ以上はNGです。炊き上がりのお知らせが表示されたら、保温に入る前にスイッチを切ってください。

5分ほど蒸らしたら、木じゃくしでほぐして空気を入れてあげると、ご飯につやが出ます」(野﨑さん)

NG(5)炊飯器でそのまま保温

炊飯器の保温機能は、活用してもいいのでしょうか?

「加熱し続けるとおいしくなくなるので、保温機能を使うのはNGです。炊き上がったら木じゃくしで空気を入れるようにほぐして、コンセントを抜きましょう。

炊飯器のフタを開けてぬれ布巾をかけてください。または、口の広い容器に移してぬれ布巾をかけてください。

これで食べる準備はOK。時間をおいて食べるときは、ラップをかけて電子レンジで温め直すようにしましょう」(野﨑さん)

この5つのポイントを守ると家庭用炊飯器でもプロ並みのおいしいご飯を炊くことができます。無洗米をお使いの方も、吸水と水切りはしっかり行ったほうがいいそうです。

少し手間は増えますが、新米のおいしさを最大限に引き出して秋の恵みを味わってみませんか。

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