週刊地震情報 2024.6.30 世界的には3か月ぶりのM7超 ペルー沖でM7.2の地震

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週よりも少ない水準です。関東や中部の陸域を震源とする地震がやや目立っています。震度3以上の地震は2回発生しました。(6月24日~30日10時の集計)

国内:沖永良部島の近くでM4.9

沖縄本島近海の地震

28日(金)4時27分頃、沖縄本島近海を震源とするマグニチュード4.9、深さ30kmと推定される地震が発生しました。この地震で鹿児島県与論町で最大震度3、沖縄本島や沖永良部島、徳之島などで震度1〜2の揺れを観測しています。

沖縄本島近海を震源とする最大震度3以上の地震は昨年6月以来、約1年ぶりの発生です。

奄美群島から南西諸島はフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいて、しばしば地震が起きています。今回の震源である沖永良部島の南東の領域では、深さ40km付近がプレート境界となっているため、それよりも少し浅い所で起きた地震とみられます。

過去にはもう少し深い震源でマグニチュード5クラスの地震が発生していて、1985年にはマグニチュード5.9で最大震度4、1984年にはマグニチュード5.8で最大震度4の地震がありました。

南西諸島の周辺で起きた巨大地震としては、1911年に発生したマグニチュード8.0の喜界島地震が知られています。17世紀以降でマグニチュード8クラスの地震はこの地震のみであると考えられていて、発生間隔がわかっていないことから政府の地震調査研究推進本部は将来の発生確率について不明としています。

世界:約3か月ぶりにM7超の地震が発生

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は3回発生しました。最も規模の大きな地震は南米ペルー沖で発生したマグニチュード7.2です。

日本時間の28日(金)午後、南米ペルー沖を震源とするマグニチュード7.2、深さ約28kmと推定される地震が発生しました。世界的にマグニチュード7以上の地震が発生するのは4月3日の台湾の地震以来です。

地震のメカニズムは西南西ー東北東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、震源に近い地域では改正メルカリ震度階級でVIIIの揺れになったとみられます。厳密な比較はできないものの、日本の気象庁震度階級に換算すると震度5強〜6弱程度に相当する強い揺れです。

また、津波も発生して震源に近いペルーの検潮所では最大0.2mの潮位変動を観測しています。

ペルーなど南米の太平洋沿岸は、ナスカプレートが南米プレートに沈み込むことにより地震が多く発生する領域です。今回の震源付近では2018年にもほぼ同規模のマグニチュード7.1の地震が起きるなど、マグニチュード7クラスの地震が頻繁に起きています。2001年にはマグニチュード8.4の巨大地震が発生し、津波によって大きな被害に見舞われました。
出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。

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