週刊地震情報 2024.2.4 山梨県東部・富士五湖で震度3の地震 2021年には震度5弱も

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べるとわずかに少ない水準です。

依然として能登半島地震の余震活動は活発で有感地震は多く、東日本の陸域で地震がやや目立ちました。震度3以上の地震は能登半島周辺で5回、そのほかの地域で1回発生しています。(1月29日~2月4日10時の集計)

国内:山梨県東部・富士五湖でM4.3

山梨県東部・富士五湖の地震

3日(土)15時09分頃、山梨県東部・富士五湖を震源とするマグニチュード4.3、深さ約20kmと推定される地震が発生しました。この地震で山梨県富士吉田市、大月市、富士河口湖町で最大震度3、山梨県甲府市、甲州市、東京都国分寺市、神奈川県横浜市、相模原市、厚木市などで震度2の揺れを観測しています。

山梨県東部・富士五湖を震源とする震度3以上の地震は2021年12月以来2年2か月ぶりです。地震のメカニズムは北西ー南東方向の圧力軸を持つ逆断層型で、横ずれ成分を含んでいると解析されています。

政府の地震調査研究推進本部は、この領域の深さ10~30kmの地震活動は伊豆半島が陸側のプレートに衝突するために生じると考えられているとしています。地震のメカニズムや震源の位置が離れていることなどから、富士山の火山活動との関係性はみられません。

2021年12月3日にはマグニチュード4.8、最大震度5弱を観測する地震が発生。それ以前も2012年に震度5弱、1996年に震度5(当時の震度階級)の地震が発生しました。マグニチュード6以上が起きた記録もあり、強い揺れに注意が必要なエリアです。

能登半島地震 発生から1か月経過も地震多い

能登半島周辺の地震活動

令和6年能登半島地震から1か月が経過しました。余震活動は活発な状態が続いていて、有感地震は1日あたり10回前後発生している状況です。

細かい地震も加えた地震の発生状況を見ても、1月下旬以降は顕著な減少傾向が見られずマグニチュード3〜4程度の地震は頻発しています。気象庁は1月29日、震度5弱以上の地震が起きる確率について、通常時の50倍程度になっていると発表しました。


強い揺れが起きた場合、地震でダメージを受けている家屋が倒壊するおそれがありますので、引き続き警戒が必要です。

世界:アメリカ・オクラホマでM5.1の地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は発生していません。最も大きな規模の地震は南太平洋・トンガ近海で発生したマグニチュード5.8です。

今週はアメリカで発生した地震に注目します。日本時間の3日(土)午後、アメリカ・オクラホマ州を震源とするマグニチュード5.1、深さ約3kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。

オクラホマシティに比較的近い震源ではありましたが、規模がそれほど大きくなかったため強い揺れに見舞われることはありませんでした。

オクラホマ州では今回と同じような規模がマグニチュード4〜5で、10km未満の浅い震源の地震がしばしば発生しています。2016年にはマグニチュード5.8とやや強い地震がありました。

この地域の地震は深層処分井戸への廃水の注入によって発生した誘発地震との研究結果があり、前述したマグニチュード5前後の地震の多くは2011年以降に起きたものです。
出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。

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