オホーツク海の流氷が生まれる3つの要因とは

今年も流氷の季節になりました。
今日1月29日(火)、網走に流氷が接岸している模様と発表があり、流氷はさらに南下し、接岸の範囲が広がる予想です。
この氷はロシアのアムール川産だと知っていましたか?

世界で最南端の流氷

オホーツク海は北半球では世界最南端の流氷の生産地です。緯度でいえばヨーロッパのイギリスからフランスにかけてのエリアなのですから、どれほど南かわかりますよね。

なぜ、そこに流氷ができるのでしょうか。通常なら流氷ができない低緯度にあるオホーツク海に流氷ができるのは、次に述べる3つの要因が揃っているからです。

流氷ができる3つの要因

1つ目の要因は、冬には北半球でもっとも低温になるシベリアから、−40℃以下の寒気がオホーツク海に吹き付けることです。するとシベリアに近いオホーツク海西側の沿岸付近の海水が冷やされます。

2つ目の要因は、オホーツク海に大量の淡水を供給するアムール川です。水深50mくらいまで海水の塩分が低くなりますが、海水は塩分が低くなると凍りやすくなるのです。

3つ目の要因は、オホーツク海がカムチャッカ半島、千島列島、サハリン島、北海道に囲まれているため、アムール川の河口で生まれた流氷が風と海流によって南に運ばれ、やがてオホーツク海は流氷で覆われます。

流氷はアムール川生まれ

オホーツク海の流氷は、アムール川の河口でできた氷が南下しながら成長していくのです。北海道に流れ着いた流氷は、いわばロシア生まれの日本育ちと言えるかもしれません。

流氷の初期段階の蓮葉氷(はすはごおり)

オホーツク海は氷で閉ざされても、氷の下では植物プランクトンの群れ(アイスアルジー)が繁殖し、それが動物プランクトンや魚を育ててくれます。また、流氷はできる過程で塩を放出するため、塩分濃度が上がった海水は重くなって海底に沈み、海底から湧昇流(ゆうしょうりゅう)が上がってきます。こうして流氷は海を耕してくれます。

紋別の砕氷船「ガリンコ号」

この時季、南極や北極並みの氷原が北海道東部沿岸に出現するのです。網走や紋別には結氷を割りながら進む砕氷船もあります。冬ならではの観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。

参考資料など

『海氷変動の数値予測』(山口一、日本流体力学会誌「ながれ」第20巻 第4号〈2001〉より)、「シミュレーション『オホーツク流氷の動きとGIS』」(山口一、海上技術安全研究所「船と海のサイエンス」Vol.3〈2003〉より)

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