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【衆院選】共産票がカギー維新、希望との連携が“逆風”、共産・立憲民主一本化で苦境に 大阪の2選挙区

政界激変対決の構図(大阪2区と11区)

 希望の党と日本維新の会との連携で、希望が選挙区には候補者を立てなかった大阪。だが、そのあおりを受けて立憲民主党や無所属での出馬を余儀なくされた元民進党候補に共産党が一本化したため結局、維新が苦境に立たされるという皮肉な展開となっている選挙区がある。報道各社が行った序盤情勢の世論調査でも、躍進する立民など元民進候補の陰で希望や維新は伸び悩む。共産候補の取り下げによる候補者一本化も背景にあるとみられ、各地で思わぬ影響が出ている。
大阪11区 大阪民進は「身内に無血開城された」と怒り露わ
 大阪11区(枚方市、交野市)では、無所属で出馬した民進府連代表の前職、平野博文氏(68)に、共産は候補者を一本化。維新と自民の前職2人と三つどもえ戦を展開している。
 低迷する党勢の再起をかけ、2年間かけて自身を含めて13人の候補者を用意していた平野氏。だが希望との「合流」で、4人が国替えなどを受け入れて希望に、7人が立民に転じ、1人は出馬を断念した。平野氏は「大阪は身内に無血開城された」と怒りもあらわに、「積極的無所属」を標榜する。
 「民進の灯を消さないため、あえていばらの道を選んだ」と悲壮感を漂わせていた元官房長官。だが、共産が公示の4日前に立候補予定者を取り下げて平野氏の支援に回ったことで、最大3万票ともされる共産票の上積みが期待できることになり、情勢は変わった。
 思わぬあおりを食らったのが、いずれも3選を目指す前職の維新・伊東信久氏(53)と、自民・佐藤ゆかり氏(56)だ。もともと、大阪11区は平成24年の衆院選では維新旋風に乗った伊東氏、26年は佐藤氏が、それぞれ次点と約2万6千票差、1万2千票差で選挙区当選を果たした激戦区。共産票の行方は勝敗に決定的な影響を与えかねない。
 伊東氏は今回、衆院が解散するといち早く地元での活動を展開。「議員の数や報酬を下げることで財源を確保するのが維新の改革。大阪で実行してきた改革を、国でも前に進めよう」と「身を切る改革」の実績を強調した。知名度も着実に高まっており、地元関係者は「前回より票を上積みするのでは」とみる。
 一方、佐藤氏は12日、枚方市内のスーパーなどを回り、「日本は国難にさらされているが自公政権こそが国を安定させられる。選択を誤らないで」と訴えた。
 佐藤氏は、郵政関連法案に反対した野田聖子氏への「刺客」として17年の衆院選で岐阜1区に出馬し比例復活。その後は東京5区に国替えするも落選、22年の参院比例代表で当選したが、26年の前回衆院選で大阪11区にくら替え出馬し当選-と、複雑な経歴を持つが、「この地に骨をうずめる」と宣言するなど、自公支持者の票固めに躍起だ。
大阪2区 立民「民進時代より手応え」、維新陣営に連携批判の声、自民は地道に
 区割り変更で約8万6千人の有権者が加わった大阪2区(大阪市阿倍野区、東住吉区、平野区、生野区)でも、民進党から立憲民主党に移った新人、尾辻かな子氏(42)に共産が候補者を一本化。維新前職の椎木保氏(51)と自民前職、左藤章氏(66)の2人を激しく追っている。
 尾辻氏は憲法改正反対など、民進時代からの主張を継続しつつ、「維新・希望の勢力は自民・公明の補完勢力だ」として、今回の衆院選を「2極の戦い」と強調。陣営関係者は「主張がぶれない立民を応援するという声は、民進のときより多い」と確かな手応えを感じている。
 一方、希望との連携が「マイナスにとらえられることはあっても、プラスにはなっていない」と嘆くのは維新・椎木氏の陣営だ。大阪への地元愛が強い地域性もあり、有権者から「小池さんと一緒になるんか」と批判的な声をかけられることもあるという。「国政でも身を切る改革をやり抜きます」と訴えるが、感じるのは“逆風”だ。
 ベテランの自民・左藤氏は支持層固めに懸命で、安定した自公政権の継続を訴え、支援団体回りなどを地道に進めている。