眞子さまのご結婚と秋篠宮家の挫折 “開かれた皇室”とはいえ「経済関係にルーズな人物は決して他者に信用されない」

秋篠宮さまと眞子さまは“冷戦”を越えて…「権力集団の対立に利用されるのでは」弟宮の存在が警戒された理由 から続く

 秋篠宮家の長女・眞子さまが、小室圭さんと10月26日に結婚されます。「文藝春秋」は秋篠宮家の内実を報じてきました。ノンフィクション作家の保阪正康氏による「秋篠宮と眞子さま『冷戦』を越えて」(「文藝春秋」2019年2月号)を特別に全文公開します。(全3回の2回目/#3へ続く)

【写真】ギャル男風のルックスが印象的な学生時代の小室圭さん

(※年齢、日付、呼称などは掲載当時のまま)

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秋篠宮家の初めての挫折

 皇嗣という立場に立つ前に、秋篠宮のさし迫った課題は眞子さまの問題であるとの見方は、一概に否定できない。ただこの問題について、私は一般社会の常識、あるいは社会的に成熟した目で見るべきだろう。

 秋篠宮家の長女の眞子内親王と婚約者とされる小室圭氏の結婚について、本来ならば慶事であるはずであった。ところが昨年11月に53歳をむかえた誕生日会見で、秋篠宮は、週刊誌などで報道されている小室家の借金問題について、「婚約前ですので、人の家のことについて私が何か言うのははばかられますけれども、それ相応の対応というのは大事」と発言された。その上で「多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況」にならなければ、「婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできません」と踏み込んで意見を述べられた。

10月12日、武蔵陵墓地を参拝された眞子さま ©JMPA

 もとを辿れば、眞子さまと小室圭氏の婚約予定について山本信一郎宮内庁長官が記者団に明かしたのは、一昨年の5月のことだ。しかし、婚約内定会見から3カ月後、小室氏の母親が知人男性から400万円以上を提供されながら、それを返済していないとある週刊誌が報じた。

 これを受けて納采の儀は延期となり、結婚関連の諸行事は2年後に延期されることが決まった。ところが小室家から一切の説明がないまま現在に至っているようで、小室氏は昨夏から3年間の予定でニューヨークのフォーダム大学に留学している。この問題は、眞子さま、佳子さま、そして悠仁さまの順調な成長を見守ってきた秋篠宮家にとって、初めての挫折と言っていいのかもしれない。

「借金を返せ」「いや借金でない」という当事者間の問題

 小室氏の母親は、金銭問題について贈与であるから返す必要はないとする立場を取り、秋篠宮家が相応の対応を求め、貸し手の男性が今も返済を求めているのに無視している状態だという。

 天皇家を歴史の流れで見つめる視点でいうなら、この問題は天皇家とか皇室の次元とは別に、きわめて低レベルの社会的生き方が含まれている。こうした「借金を返せ」「いや借金でない」といった問題は、当事者間のやり取りであり、これを皇室内部に持ち込まないでほしいというのは、誰しもが思うことである。

 私自身は、秋篠宮発言は当然であり、社会の常識であると思う。社会の常識が通らないということ自体、問われて然るべきことである。

 あえていうなら、眞子さまと結婚することは、将来の天皇の兄になることであり、天皇にきわめて近い存在となる。そういう立場にふさわしい社会的常識を持っているかどうかは国民的関心事だ。

経済関係にルーズな人物は決して他者に信用されない

 眞子さまのご結婚について秋篠宮ご夫妻は当初、そろって認める姿勢を示されていた。学生時代からの付き合いを実らせて恋愛結婚をなさったお二人だから、惹かれあう男女が一緒になることは喜ばしい、と考えていらしたのだろう。

 しかし「開かれた皇室」とはいえ、皇族には世間一般と同じ自由な恋愛が許されるわけではない。ご降嫁されても天皇のご親戚であり、その配偶者の職業や暮らしのことで皇室のイメージを悪くする事態があってはなるまい。

 皇室の人たちは、一般社会の価値観と必ずしも一体化する必要がない、と私は思う。むしろ人間本来の良質の人倫を代表するのが、皇族の役目ではあるだろう。

 だがこの1点だけは、皇族にも一般人にも指摘できるように思う。

〈経済関係にルーズな人物は決して他者に信用されない〉

 これは社会常識である。この点で言えば、皇室にはいつの時代にも良き側近、良きアドバイザーが求められるのであろう。眞子さまについて言えば、男性とのお付き合いや内親王の立場について諫言を辞さない人物が必要だろう。世間との盾になる側近は、皇室のディグニティ(威厳)を保つためにいつの時代にも求められている。

秋篠宮さまが乗り越えなければならない試練

 前述した元老の西園寺公望はまさにそういう側近の一人だった。

 平成の天皇の教育参与だった小泉信三は、昭和24年にその職を任じられたときに、少年皇太子の教育にあたる心構えを自らのメモに残している。そこには良きアドバイザーに徹するとの意味を含んでいた。

 小室氏に関わる金銭問題は、皇嗣への即位を控えている秋篠宮が乗り越えなければならない試練かもしれない。秋篠宮家と結婚を考える眞子さまとは、もっか冷戦状態という宮家内部の動きも伝えられる。

 小室家とどのような折り合いをつけるのか、一般社会が納得する解決を見出すことができるか。皇室と国民との窓口が期待される皇嗣としての当面の大きな課題である。

#3に続く)

「聞く耳を持たなかった」秋篠宮さまは宮内庁長官へ思わず苦言を…悠仁さまに施す“帝王学”で真価が問われる へ続く

(保阪 正康/文藝春秋 2019年2月号)

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