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弁護人が次々辞任の秋元司議員 初公判に現れた“無罪請負人”

 カジノを含む統合型リゾート(IR)を巡る汚職事件で、収賄と組織犯罪処罰法違反(証人等買収)の罪に問われた衆院議員、秋元司被告(49)。3月29日に東京地裁で初公判が開かれ、起訴内容を否認した。

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IR担当の内閣府副大臣だった秋元被告 ©共同通信社

 社会部記者の話。

「ノーネクタイにほぼ鼻出しマスクとリラックスした格好でしたが、髪は真っ白になり、やや痩せたようにも見えました。裁判長に認否を問われると、『全ての事件について無罪であります』と政治家らしいよく通る声で述べたものの、そこから政治理念や詳細な認否を10分近くにもわたって語り始めた。さながら独演会のようで『陣中見舞いは受け取っていない』『旅費は事務所で負担すると思っていた』など、保釈後の昨年2月に開いた記者会見と中身はほぼ同じでした」

 だが会見の時と打って変わったのが、自身を守る弁護人だ。19年末に収賄容疑で逮捕されてしばらくは、河井克行元法相と同じヤメ検の名取俊也弁護士や、貞弘賢太郎弁護士が担当していた。しかし昨年8月4日、公判で虚偽の証言をするよう贈賄側に働きかけたとして支援者らが逮捕されると、名取氏らは辞任。8月6日に後任として弁護人を受任したのが、やはりヤメ検の郷原信郎弁護士だ。ところがその郷原氏も翌7日、「弁護方針の違い」を理由に辞任してしまう。

 その直後、いわば“第三の男”として就任したのが、弘中惇一郎弁護士だった。

秋元被告の判決はどうなるか

「主任弁護人は弘中事務所の別の弁護士ですが、弘中氏自身も公判前整理手続きに姿を見せるなど力を注いできました。厚労省の村木厚子氏の事件で無罪判決を勝ち取るなど“無罪請負人”の異名を持ちますが、決して連戦連勝というわけではありません」(同前)

 果たして、秋元被告のケースはどうなるか。

「贈賄事件や証人買収事件では、起訴された8人の有罪が確定。秋元の起訴内容も、ほぼ事実認定が済んでいる状況です」(法曹関係者)

 有罪だった場合に注目されるのは量刑。一般的な収賄事件なら執行猶予が付くことが多いが、今回は証人買収事件も加わっている。

「共謀罪と併せて新設された証人等買収罪は、国際犯罪を取り締まるためにできたもの。その第一号事件で国会議員が起訴されるとはお粗末な話です。しかも買収が持ち掛けられたのは、秋元の保釈後。証拠隠滅の恐れがないと訴えた秋元側の言い分を信じ、保釈を許した裁判所からすれば裏切られた形です。当然、実刑も視野に入れた厳しい姿勢で臨むでしょう」(同前)

 野田聖子元総務相の夫や片山さつき氏の代理人を務めるなど、今や“自民党の守護神”となった弘中氏。だが、勾留が続く秋元被告をシャバに戻すのは簡単ではなさそうだ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年4月15日号)

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