衆院選大敗の“戦犯”自民・森山幹事長「復党なし」断言した“宿敵”世耕氏の会派入りに募らす不快感
衆院選の結果を受けて召集される特別国会が、11月11日に開会されることが決まった。
「特別国会では、首相指名選挙がおこなわれます。無所属議員以外は、自身が所属する党の党首や代表の名前を書いて票を投じますが、過半数を獲得する議員がいなければ決選投票になります。
自民・公明の与党が過半数に達していませんから、今回は決選投票となるでしょう。そのため、自民と立憲は、それぞれ『石破茂』『野田佳彦』と書いてもらえるよう、他党への働きかけを活発化させています」(政治担当記者)
自民党にとって「過半数割れ」は深刻だ。首相指名以外でも、今後の円滑な議会運営を考えれば、ひとりでも多くの“仲間”が必要になってくる。そうしたこともあり、石破首相(自民党総裁)は10月30日、衆院選で派閥の裏金問題を理由に非公認となった萩生田光一元政調会長、西村康稔元経済産業相、平沢勝栄元復興相、そして離党勧告処分を受けて離党した世耕弘成前参院幹事長の4氏に自民党会派入りを要請し、与党系無所属の三反園訓(さとし)氏、広瀬建氏にも声をかけ、6氏すべてが了承した。
石破自民党が着々と手を打っているように見えるが、これを快く思っていない幹部がいるという。誰であろう、党ナンバーツーの立場にある森山裕幹事長だ。
「なかでも、離党した世耕氏の会派入りには納得していません。というのも、森山氏は二階俊博元幹事長と親密で、菅義偉(よしひで)政権誕生のときは、ふたりが尽力しました。
そのため、自民党公認で立候補した二階氏の三男・伸康氏と同じ選挙区に出馬した世耕氏の行動を『反党行為』ととらえ、『週刊文春』では政治ジャーナリスト・後藤謙次氏のインタビューに『彼の復党はありません』と断言していました。
30日、森山氏は首相官邸で記者団に『自民・無所属という“会派”に入ってもらうということです』と厳しい表情で語り、あくまで『復党ではない』ことを強調していました」(自民党関係者)
政治ジャーナリストの宮崎信行氏は「今後、世耕氏が復党するなら2025年夏の参院選前に、野党から提出されるであろう内閣不信任案のタイミングなどが考えられます」と語る。
しかし宮崎氏は、森山氏の胸中をこう推察するのだ。
「森山氏は『不足人数を埋めるだけなら、会派入りだけで十分。復党までさせる必要はない』という考えのはずです。森山氏には、国民民主党など野党とのパイプもありますから、野党の協力も視野に入れているのでしょう」
今回の措置に有権者の目は、予想どおり厳しいものがある。Xには《非公認にした意味ってあったのだろうか?》《詐欺と同じ》《党員資格停止中の議員に、会派入りしてほしいと頼む党が変という感じ》などの意見がポストされていた。
非公認議員の所属支部へ2000万円の活動費を給付していたことで、問題視されている森山氏。それに加えて、“盟友”の息子を降した世耕氏の会派入りと、心中穏やかではなさそうだ。自民党大敗の“戦犯”との声もある森山氏だが、「忸怩たる特別国会」の開幕の日は近い。
10/31 08:46
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