【兵庫県知事選】斎藤前知事に“有利”な状況が続々……乱立する“パットしない”対立候補たちの裏事情とは

辻立ちする斎藤元彦元知事(写真・馬詰雅浩)

 

 兵庫県知事の失職に伴う知事選挙に、日本維新の会が参議院議員の清水貴之氏を擁立することが事実上、決まった。10月2日午後、維新県議団の総会で要請された清水議員がこれを受託したという。清水議員は、

 

「僕が好きな兵庫県ですから。これだけ兵庫はいいところなんですよと、前向きにもっともっと行きましょうよというイメージに変えたかった」

 

 と、総会後に語った。当初、衆議院選挙区の兵庫8区に鞍替えしての立候補予定だった清水議員は、これで知事選に切り替えることになる。県政担当の記者が苦笑しながら明かす。

 

 

「前回の知事選でも清水さんは有力な候補者でした。とはいえ、参議院議員の任期を半分以上も残していたので、簡単に言えば逃げたんです。

 

 鞍替えする予定だった8区は、公明党の現職候補が4回連続当選をしている難しいところです。現状では当選はおぼつかない状況ですからね。今回、県知事選に出て落選しても、自分が辞職した後の補欠選挙への立候補も可能。また、来年になれば改選があります。つまり今度は8区からも逃げたということです」

 

 県知事選は元経産官僚で兵庫県への出向経験もある中村稔氏も立候補を表明している。中村氏はもともと、失職した斎藤元彦元前知事と知事選挙を戦った金澤和夫元副市長の後継として県庁入りした経緯もある。

 

 また、県内選出の衆議院議員で裏金問題にからみ党員資格停止処分を受けた西村康稔氏とは灘高、東大の同期だという。先の記者がこう続けた。

 

「中村氏は自民党県議団と面談し、党本部への推薦要請もしています。ただ、自民党県議団では独自候補の擁立を見送る方針が内々に固まっているので公認しないでしょう。

 

ただまだ西村議員があきらめていないので、一波乱あるかもしれません。

 

 県議会の第1党として、やはり勝てる候補に乗るしかない。前尼崎市長の稲村和美さんか、維新の清水さんか、迷うところだと思います」

 

 これに共産党系の政治団体が推薦する医師の大沢芳清氏がすでに立候補の表明をしており、斎藤前知事も合わせれば、今回の兵庫知事選は5人で争う乱戦模様になる。

 

 このため賛否はあるものの、Xでは“ある懸念”を示す投稿があふれている。

 

《候補乱立で票が割れて、斎藤元彦が当選する、なんてことにならないことを祈ります》

 

《政党推薦候補が乱立したら 斎藤前知事勝てるやろな》

 

《候補者が乱立してますます斎藤知事が有利になってきた》

 

 斎藤前知事は現在、連日のように朝に“辻立ち”を行っている。

 

「斎藤さんが街頭演説を開始したとXで報告すると、11万人ものイイネがつきました。全てが県内有権者ではないにしろ、斎藤さんにも一定数の支持者がいます。

 

じつは清水さんの岳父の経営する企業は、自民党の菅義偉元首相の実弟の関係企業です。関西の創価学会幹部と関係の深い菅さんが動けば、清水さんが有利になる可能性もあります。そのせいか清水さんは維新からの推薦に難色をしめしているみたいです。

 

 いずれにせよ、斎藤知事に有利な状況が生まれつつあります。まだまだわかりませんね」(県政担当記者)

 

 斎藤元知事がカムバックしたら驚きだが……。

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