「二階氏の三男」VS.「自民離党の近大理事長」衆院和歌山2区が“裏金議員”の保守分裂泥仕合に ネットで応援集めるのは?

次期衆院選に出馬せず、三男に地盤を譲った二階俊博元自民党幹事長

 

 2024年4月、派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、自民党は39人の議員に党則による処分を決定した。このなかで、当時、参院幹事長だった世耕弘成氏は、5年間で1542万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、8段階の処分で除名の次に重い「離党の勧告」を受け、離党届を提出した。

 

 その世耕氏が、次期衆院選で和歌山2区にくら替えして立候補することが、9月30日、各紙に報じられた。2区は世耕氏の祖父、弘一氏の出身地である新宮市が含まれる。世耕家とは縁が深い土地でもある。

 

「世耕氏はずっと『将来は総理総裁になる』という野望を持っていたので、衆院へのくら替えは悲願でした。自民党を離党したことで、総理大臣になる可能性はほぼゼロになりましたが、準備は進めていたための出馬になったのでしょう。

 

 しかし和歌山2区は、5年間の不記載が3526万円ともっとも多かったものの、次期衆院選への不出馬を明言したことから不問になった、二階俊博元自民党幹事長の三男、伸康氏が自民党公認候補として出馬します。『自民党公認VS無所属』という構図になりますが、自民党支持者の間では『保守分裂』ととらえられています。

 

 世耕氏は参院で当選5回。近畿大学の歴代理事長はほぼ世耕家が務め、弘成氏が現理事長です、『世耕ブランド』とも呼ばれ、地元での威光は絶大です。一方の二階氏は、かつて『自民党のドン』と呼ばれ、建設業界などに影響力を持ち、選挙地盤は盤石。伸康氏はそれを引き継ぎます。世襲批判もねじ伏せました。激しい戦いになると思われます」(政治担当記者)

 

 

 いずれにしても、和歌山2区は「裏金」が選挙の焦点になる。世論はこれをどう見ているのだろうか。Xでは《共倒れすれば良いのに》という声まである一方で、なぜか《世耕がんばれ》のポストが多いことに驚かされる。

 

《石破さんより二階さんより優秀なのはこの人。ぜひ当選してもらいたい》

 

《2階か何階か知らんけど此処は頑張れ世耕議員》

 

《衆院和歌山二区に世耕さんが立候補されるのは朗報です。全力応援》

 

などだ。

 

「二階氏は自身の不記載のほか、二階派(志帥会)のパーティー券の売上超過分や支出など、5年間で3億8000万円あまりを政治資金収支報告書に不記載だったことで、元会計責任者が実刑判決を受けています。

 

 さらに幹事長時代、政党が政治家に支出して、その使途を明かさなくてもいい『政策活動費』が5年間で50億円近く支出され、国会で問題になりました。また、3年間で書籍を計約3470万円分も購入しています。そのため国民の反発が強く、地元でも『だったら世耕氏の方がマシ』という声が多いのだと思います」(前出・政治担当記者)

 

 とはいえ、どちらも“裏金議員”であることに変わりはないのだが。

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