“裏金2728万円”萩生田光一氏、都連会長辞任も「まさか」の顧問就任説に「許すと思ってるのか」あきれる自民党議員

7月16日に都連会長辞任を申し出た萩生田光一氏(写真・共同通信)

 

 自民党東京都連は8月5日、会長辞任を申し出ていた、自民党の前政調会長・萩生田光一衆院議員の後任に、同党幹事長代理・井上信治衆院議員を充てる人事を決めた。

 

 政治担当記者はこう話す。

 

「萩生田さんは、自民党の裏金問題で、5年間にわたり2728万円が政治資金収支報告書に不記載だったことが判明していました。2024年4月に『党役職停止』の処分を受け、政調会長を辞めていましたが、都連会長は党本部の役職でないため、そのまま続行、6月に再任されていました。

 

 

 しかし、裏金問題が冷めやらぬまま突入した、7月7日投開票の東京都議補選で2勝6敗と惨敗し、自らの地元・八王子でも自民党候補が大敗。その責任をとる形で、7月16日に都連会長の辞意を表明していました」

 

 都連会長が交代したことで一件落着か、と思われたのだが、「新たな問題が発生している」(自民党都連所属のある議員)という。この議員が続ける。

 

「井上新会長が、就任あいさつのなかで『萩生田議員には、最高顧問か常任顧問に残ってもらう』と発言したのです。私も含め、少なからぬ都連所属の議員たちは『まさか』という思いです。

 

 都連に役職付きで残るならば、辞任して責任をとったことにならないですよ。しかし、萩生田氏の処遇については現在、井上会長に一任されている状況です」

 

 萩生田氏の残留問題を聞いた都連所属の議員らからは、反発の声があがっている。

 

「われわれ議員は、支援者に日ごろから、選挙時での協力や都連のパーティー券を購入してもらうなど、多大なお願いをしています。

 

 自分たちが悪いことをしていないのに、裏金問題に関係した萩生田氏らのせいで、いまだに支援者にお詫びをしたり、お願いごともなかなかできない状況になってしまっています。

 

 そうした状況のなかで、井上会長が萩生田氏を残すなら、支援者に示しがつきません」(自民党都議)

 

 都連所属のある区議も怒りを爆発させる。

 

「萩生田氏に、反省の色は見えないですね。彼のように、自分の非を認めない議員は、人の上に立つ器ではありません。責任をとると言った人が、『はい、それでは最高顧問、常任顧問になります』はないでしょう。

 

 都連の議員が許すとでも思っているのでしょうか。大きな声では言えませんが、萩生田氏の選挙区である東京24区では『野党よ、がんばれ』と言いたい気持ちです。

 

 井上会長は報道陣に『都民の信頼を回復していくことがいちばん重要』と答えていましたが、どの口が言っているんだと。萩生田氏を残すことが、都民の信頼回復につながるわけがない。逆効果しかないでしょ」

 

 最後に、都連所属のある国会議員も「次の選挙では、萩生田氏のような“裏金議員”は、比例の重複立候補はやめてもらいたい。全員、選挙区のみの立候補にして、負ければ終わりにするのがいい。比例の重複立候補にするか否かは、党本部が直前に判断するので、こうした世論形成をしていきたいと思っている」と気色ばむ。

 

 萩生田氏をめぐる都連人事には、まだ一波乱ありそうだ。

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