自民党総裁選“コバホーク”こと小林鷹之議員の出馬は立ち消えに…長老たちが“進次郎推し”で固まった!

突如有力候補として浮上した小林鷹之議員(写真・時事通信)

 

 9月の自民党総裁選をめぐり、中堅若手議員を中心に前経済安全保障担当相の“コバホーク”こと、小林鷹之議員への期待が高まっている。世代交代論を掲げる一部の議員が代表として、総裁選への擁立を模索する動きもあるようだ。

 

「女性問題で自民党を離党、その後、議員辞職した当選同期の宮沢博行元議員はネット番組の中で小林氏について、『まともすぎる。同期にも、顔が良い、頭が良い、背が高い、性格が良い、選挙に強い。“天は五物を与えている”と、悔しがった議員がいた』と明かしました。政策通として一目置かれた存在なのは確かです」(政治部記者)

 

 小林議員は元財務官僚。開成高校から東京大学教養学部に進み、在学中は伝統ある東京大学漕艇部で主将を務め、1年の留年後に法学部を卒業している。

 

 

 財務省時代には、米ハーバード大学ケネディ行政学大学院に留学。行政学修士号も取得している。在米日本大使館に赴任中、鳩山政権下で悪化する日米関係に危機感を感じ、自民党の谷垣禎一総裁(当時)に手紙を書いたことがきっかけで政界入りしたという逸話もある。

 

「当選3回で、すでに第1次岸田内閣で初入閣もしています。幹事長だった甘利明さんが推しに推して入閣しました。直後の選挙で落選し幹事長を辞めた甘利さんが、内閣改造時に小林さんの留任を頼むためだけに、わざわざ官邸に岸田首相を訪ねたというのですから、相当な入れ込みようです。小林さんは二階派ですが、何とか麻生派に引き込みたかったんでしょう」(同前)

 

 ただ今回の小林議員の急浮上には、別の議員による“推し”があったという。

 

「福田達夫元総務会長です。旧清和会のプリンスだった福田総務会長は、総裁選への出馬が取りざたされる小泉進次郎議員と並んで、“いつか総理になる”ことが自民党内で公然になっている議員。当然、小泉議員への対抗心が強いんです。

 

 しかし、今回は自分が立ちたいところでしょうが、派閥の裏金疑惑があったので、自重せざるを得ない。そこで、小林議員に狙いをつけたわけです。言ってみれば小林議員は進次郎対策の当て馬なんですよ」(自民党関係者)

 

 だが、ここにきて“コバホーク”の総裁選出馬は立ち消えになったという。

 

「森喜朗元首相は最近、旧清和会に限らず進次郎さんでもいいと話したそうです。派閥を解消した岸田さんに対し、森元首相は恨み骨髄。岸田さんでなければ誰でもいいんです。

 

 一方、菅さんは、進次郎さんだけを支持する予定です。自民党の重鎮たちがほぼ進次郎で固まっているなかで、わざわざ小林さんが立候補する意味はない。最終的に甘利さんが説得して総裁選には立候補させず、総裁候補のまま勝ち馬に乗せるつもりです。

 

 結局、自民党は、森さん、麻生さん、菅さんなど、かつて派閥の長だった長老の都合で動くのです。“コバホーク”も単なる手駒として扱われているわけですね」(政治部記者)

 

 もう誰が出たって変わらないのでは……。

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