「校庭で高齢者と衝突」2人の“小学生”に88万円賠償判決が大議論…教育委員会に聞いた“その後”と児童へのケア

写真はイメージです

 

 7月25日、大津地裁がくだした民事裁判での判決に注目が集まっている。

 

「毎日新聞」が報じた内容によると、発端は2019年11月。

 

 滋賀県草津市内の小学校のグラウンドで、集団下校指導を受けていた際に、追いかけっこをしていた当時小学6年生の男子児童2人とぶつかり、転倒した80代女性が太ももの骨を骨折する怪我を負った。

 

 

 女性は下校後におこなわれる、グラウンドゴルフ愛好会の活動に参加するために来校していたという。

 

 社会部記者はこう解説する。

 

「判決がくだされたのは、怪我をした80代女性が男子児童2人と草津市に約725万円の損害賠償請求した民事訴訟についてです。
 地裁は男子児童らの不法行為責任を認定する一方で、女性の過失も認めました。グラウンドの中央を歩く行為は女性にも責任があるとされ、賠償額の6割を過失相殺されました。

 

 判決では『教員や校長らは女性の進路など当時の状況を把握していなかった』として過失を認めず、草津市への請求は棄却。周囲に対する注意義務を怠った男子児童2人に約88万円の賠償を命じました」

 

 ただ、この訴訟の発端となったのが男子児童たちが通う小学生のグラウンドだったことから、判決に対して、賛否両論の大議論が起きている。

 

《学校のグラウンドでも気を遣って遊ばなくてはいけない世の中ってどうなの?》

 

《低学年だったら厳し過ぎるけど、6年生なら仕方ないと思ってしまう。集団下校でふざけてたんでしょ》

 

《全てひっくるめて学校の管理責任、監督不十分にならないのが不思議って話ですよ》

 

《老人女性に非がないなんてどこにも書いてないよ。子供が100%悪い話でもない。過失相殺、つまり6割過失がある》

 

 と、X上では多方面から意見が飛び交っている状態だ。

 

 こうした議論について、小学校を管理する草津市教育委員会はどう思っているのか。

 

 本誌は取材を申し込むと、教育委員会の担当者は判決に対する議論について

 

「新聞記事は読みましたが、判決文がまだ届いていない状況で、どういう経緯で判決に至ったのかというのがわからないため、今の時点でお答えすることができません」

 

 と話す。ただ、事故後に変化はあったという。

 

「学校のグラウンドの利用について、外部の方は下校時間が過ぎてから、入ってもらうという約束を徹底するようにしました」(同前)

 

 そして、気がかりなのは賠償を命じられた男子児童2人の将来だ。5年前の出来事のため、現在は高校2年生とみられる。

 

 何かしら市や教育委員会でサポートはおこなったのか――。

 

「小学校のほうでは、何らかの対応をしたと思いますが……教育委員会のほうで、何をしたのかというのは、ちょっとすぐにはわからないです」(同前)

 

 幼いころの“過失”を引きずり過ぎずに成長してほしいものだ。

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