440回の嫌がらせと罵声…近隣住民の迷惑行為は遠ざけられない?弁護士が語る「被害者が引っ越すことが多い」実情

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「おらあ!ふざけんなよ、お前!」「頭おかしいんじゃねえか。草とび出てるぞ。おい!」

 

 サングラスをかけ、シャツの前ボタンを全開にした男が防犯カメラを睨みつけるように怒鳴っていた。また別の日は家のチャイムを86回鳴らし続けたり、吸っていたタバコを被害者の家に向かって投げ捨てたりした。さらには車のヘッドライトをハイビームにして照射、クラクションを鳴らしながら威嚇する様子を防犯カメラが捉えていた。

 

 

 2021年5月から2024年6月にかけて、隣人住民らに罵声を浴びせ、女性にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症させた傷害の疑いで7月16日、札幌市の無職・片倉英智容疑者(56)が逮捕された。

 

 テレビ朝日などの報道によれば、片倉容疑者はおよそ3年間、昼夜を問わず住民らに暴言を吐くなどの迷惑行為を繰り返していたという。

 

「嫌がらせ行為は、確認できただけでも3年間で440回にも及んだといいます。罵声のほかにも、チャイムを86回連打するなどの嫌がらせ行為が続出したといいます。また、PTSDを発症した被害女性の子どもにも『帰れクソガキ!この野郎』と罵声を浴びせました。子どもは泣きじゃくり、取材に『自由に外に出たいけど、出られないからそれも苦しい』と語っていました」(週刊誌記者)

 

 きっかけは車の止め方だったようだ。被害女性によると「我が家の家の前に来て、バック駐車をしたいがためにいちゃもんをつけるようになった」のだという。

 

 片倉容疑者はこれまでも、近所の住民らを侮辱した疑いなどで3回、逮捕されているというから驚く。

 

 Xにも「警察ももっと早い段階で何とか出来ないのか?」と疑問のポストがあったが、こうした迷惑行為をする人物を、被害者から遠ざける法律はないのだろうか。若狭勝弁護士は苦々しくこう語った。

 

「私自身とても悩ましく思っているのですが、結論から言いますと(加害者を被害者から遠ざけるのは)難しいです。ストーカー規制法はベースに恋愛感情があり、それが満たされないことによる“つきまとい”などを規制しますので、今回は適用できません。

 

 仮に逮捕されたとしても罰金刑だったり、懲役刑でも執行猶予がついたとすればすぐに元の場所に戻ってきます。こういったケースでは、賃貸であれば被害者が引っ越すことが多いですね」

 

 片倉容疑者は警察の調べに「叫んだり威嚇したりはしていません」「(PTSD発症は)私のせいではありません」と容疑を否定しているという。逮捕されて終わり……とはならない事件である。

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