静岡・川勝知事に黄信号! 不信任案に立ちはだかった「0.25の壁」は越えられるか

 

 リニア問題で注目を集める静岡県の県議会に新たな動きがあった。県議会の第2会派「ふじのくに県民クラブ」所属の議員が会派を離脱したのだ。

 

 離脱したのは浜松市中央区を選挙区とする大石哲司議員。元浜松市役所職員で、現在4期めをつとめている。

 

「『ふじのくに県民クラブ』は、川勝平太知事との関係が深いことで知られています。

 

 2023年7月、給与未返上問題が浮上し、川勝知事に対する不信任決議案が提出されたときは、賛成50票、反対18票でした。不信任決議には51票(4分の3以上の賛成)が必要となるため、わずか1票足りずに否決されたことになります。

 

 

 この18票が『ふじのくに』所属議員の反対票だったのです」(政治担当記者)

 

 川勝知事の「コシヒカリ発言」により、2021年11月に知事への辞職勧告決議案が出された際も、「ふじのくに」所属議員は反対票を投じている。

 

 では、大石議員の離脱により、どんな影響があるのか?

 

「2023年7月の不信任決議のとき、『ふじのくに』には18人の議員がいました。しかし、8月に所属議員1人の無免許運転が発覚。除名処分となり、その後、辞職しています。法律により補選はおこなわれないので、現在、静岡県議会は欠員1で67人の議員がいます。

 

 知事の不信任決議には、先にも指摘したとおり、出席議員の4分の3以上が必要です。67人の4分の3は50.25ですから、いまも51の賛成票が必要です。

 

『ふじのくに』所属議員は、大石氏の離脱によって16人になりました。もし『ふじのくに』以外の全議員が賛成すれば、不信任決議が可決されることになります」(同)

 

 つまり「0.25の壁」を越える可能性が出てきたわけだ。まさに黄信号なのだが、事はそう簡単に運ばないようだ。

 

「大石氏は『ふじのくに』を離脱し、無所属で活動する意向を示しています。川勝知事に対するスタンスは『たしなめることはするかもしれないが、知事を突き上げる側にはいかない』としており、仮に不信任決議案が出されたとしても、賛成に回るかはわかりません。

 

 地元テレビ局は、大石氏はもともと川勝支持者であり、不信任案が出されても可決される可能性はきわめて低い、と報じています」(同)

 

 大石氏が「ふじのくに」を離脱したのは、川勝知事も推進する浜松市での新球場建設にからみ、会派内での立場に不満があったからだとされる。

 

 川勝知事をめぐっては、1月の能登半島地震の被災地支援オンライン会議を欠席したことや、大災害にもかかわらず1月4日朝まで軽井沢の別荘にとどまった対応が問題視されている。さらには「磐田は浜松より文化が高い」「藤枝東はボールを蹴ることが一番重要」などの失言も相変わらずだ。

 

 川勝知事の任期は2025年6月まで――。

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